果ての星通信(しょうつうしん) 1 PASH!COMICS
作:メノタ
出版社:主婦と生活社
大学を卒業したマルコは恋人と共に、二人の場所を探す世界旅行を計画していました。
指輪も買い、恋人へのプロポーズをしようとした矢先、彼の体は分解され地球から消えます。
気が付いた場所、そこは見覚えの無い雪の降る土地でした。
登場人物
マルコ・ロウノワヴィチ・ウルサズカ
22歳のロシア人の青年
十年前、雷に打たれ奇妙な夢をみる。
それは腕の長いギョロリとした目の異星人が、十年後迎えにくると告げる物だった。
その経験からUMAや超常現象に強い興味を持っている。
モフモフした生き物が好き。
恋人の事を想い地球への帰還を切望している。
局長
アクズ星人
果ての管理者と呼ばれる宇宙を管理する部署で働く局員の一人。
長い腕と丸い顔丸い目の着ぐるみを常に身に着けている。
一日の長さの違いにより、他の局員よりも長く勤務場所である惑星モスリで働いている。
局長と呼ばれているが、勤続年数が一番長く本名が他星系の者には発音しづらい為、便宜上そう呼ばれているだけ。
穏やかで局員のまとめ役的な存在。
種族特製の為、普段は着ぐるみを着て過ごしている。
ナナギ
ダ・ココバ星人
目にかかる前髪とギザギザの牙、顎鬚を生やした青年。
ある目的の為、誘拐同然の局員の仕事を納得して行っている。
彼らの種族にとって塩は野菜と同じ感覚のようだ。
フィッツィー
ソルフェ星人
人に似た容姿を持つが、腕は蝶の幼虫に似ている。
おっとりとした女性。
映画やドラマ鑑賞が趣味。
ソルフェ星人は全員が医療関係に従事する為、本職は医師。
マウー
ロノウトギ星人
モフモフの毛と蛸の触手に似た手を持つ。
ロノウトギ星には人は男女一人ずつしかいない。
マウーは母星にいる女性に捧げる愛の物語を探す一団(男性のクローン)の一人。
彼は他のクローン達と違い、バグによって双子として誕生した。
その為か初代の記憶も引き継いでおらず、処分される事に怯えながら宇宙船で兄弟のヌゥと暮らしていた。
レゾルタルパ
キアラ星人
鉱石、岩石を食べる種族の女の子。
外宇宙に進出していない閉じた星、キアラ星。
その星の彼女の部屋の鏡と惑星モスリが次元の穴でつながった事で、マルコ達と交友を持つ様になった。
当初はマルコに脱出計画に騙された形で協力していた。
あらすじ
宇宙を創造した「彼の方」。
その維持管理に飽きた彼は代行機関【果ての管理者】を作り姿を消した。
以来、星を作り壊し宇宙を廻す為、無作為に選ばれた若者にそれぞれの星の時間で十年という任期を定め局員を選出していた。
地球人のマルコはその選ばれた若者の一人だった。
網目状の鉱物で形づくられた冬の星モスリ。
マルコは「果ての管理者」の支部局だというその惑星に誘拐同然で転移させられたのだ。
恋人との幸せな未来を夢見ていたマルコは、当然憤り地球への帰還を計画する。
彼は局員の仕事だという星の製作を利用し、地球への扉を作ろうと行動を開始した。
感想
恋人と世界旅行をしながら暮らす場所を決める。
しかもマルコは恋人へのプロポーズも考えていたようでした。
そんな状況で突然異星人しかいない場所で、十年も仕事をしろと言われたら……。
もし十年働いて戻っても、地球では失踪者として処理されていそうですし、恋人も別の人物と一緒になっているのでは無いでしょうか。
仮に恋人が一人だったとしても、その人と過ごす十年を失ってしまう訳です。
まぁ、普通に考えれば脱走するでしょうし、そういう仕組みを作った「彼の方」に対し激しい怒りを覚えるのでは無いでしょうか。
作品はそういったマルコの憤りも描きつつ、様々な異星人との触れ合いと作品における宇宙の仕組み、種族による価値観の違いと同一性等が描かれます。
作者のメノタさんの考えた宇宙に触れるといった感じの楽しく興味深い作品です。
まとめ
宇宙を探索するお話(本作は探索という感じではありませんが)は宇宙船サジタリウス号から始まって、とても好きなジャンルです。
最近でもバビロンまでは何光年? や宙に参る、プラネットガール等、宇宙を題材にした物が増えてきた様に思います。
SF好きなので、単純にうれしいです。
こちらの作品はコミックPASH!にて一部無料で閲覧いただけます。
作者のメノタさんのTwitterはこちら。
お読みいただき、ありがとうございました。