税金で買った本 7 ヤンマガKC
原作:ずいの
漫画:系山冏
出版社:講談社
図書館でのバイトしているヤンキー少年の石平紀一(いしだいら きいち)を中心に図書館の仕事のあれこれを描いた作品、第七巻。
登場人物
切れ気味な母親
図書館利用者
息子が借りた本のことで白井(しらい)ともめる。
彼女が図書館職員のような事務方にきつく当たるのは、高校時代に原因があったようだ。
佐藤(さとう)
図書館バイト
眼鏡ショートで前髪ヘアピンの女性
図書館における棚卸的な作業、蔵書点検において無類の速さを見せる。
作業の効率化に重きを置いている。
高橋チエ子(たかはし ちえこ)
図書館の利用者
お団子頭の年配女性。
父親は郷土史の研究家。
寄贈した自費出版の本(自伝)が図書館に所蔵されない事に不満を持つ。
紫の封筒の男
図書館利用者
黒髪くせ毛の青年。
図書館司書の一人、今村が新人だった頃、彼女に好意を持ち、本の間に彼女宛の手紙を忍ばせる。
あらすじ
夏、図書館は多くの人でにぎわい、司書の早瀬丸(はやせまる)は早く夏が終わらないかと憔悴した様子で呟いていた。
そんな早瀬丸にバイトの紀一は九月になれば、長い休館日があるじゃんとほほ笑む。
だがそれを聞いた早瀬丸は死んだ目で紀一の肩を掴んだ。
確かに図書館は休館する。しかし職員に休みはない。
休館中には商店でいうところの棚卸。蔵書点検を行うのだ。
早瀬丸たちが働く図書館の蔵書は45万冊。
その全てをチェックする訳ではないが、それでも莫大な数の蔵書を一冊一冊、ハンディースキャナーで読み込む作業が必要になってくる。
職員全員でかかっても2~3日はかかる大仕事だ。
9月は高校生である紀一は無理だろう。
そう考えていた早瀬丸たちだったが、蔵点楽しそうじゃんと紀一は参加する気満々でほほ笑んだのだった。
感想
今回は冒頭、図書館の棚卸、蔵書点検の説明から始まり、蔵書点検と返却ミス、自費出版の所蔵、紫の封筒の男、移動図書館と書籍検索などが描かれました。
今回はその中でも蔵書点検のエピソードが印象に残りました。
図書館の膨大な蔵書。
紀一たちが働く図書館でも蔵書は45万冊。
それを手作業で調べ本の場所を確認していく。
紀一たちはハンディースキャナーで本のバーコードを読むという作業をしていましたが、コンピューターやスキャナーのない時代、職員たちは完全な手作業でそれを行っていたはずです。
そう考えただけで気が遠くなりました。
時代が進めば書籍の電子化により、図書館での貸し出しや返却も形が変わり、蔵点も多少楽になるのでしょうか。
ただ、紙の本が好きなので全て電書というのも味気ないなぁと思ってしまいました。
まとめ
この巻の終盤、本の貸し出しを巡り、自称エリートの茉莉野(まりの)がまた早瀬丸たちに迷惑をかけていました。
働き続けているうち、あの人も少しは変わるのでしょうか。
そのきっかけとなるようなエピソードも読んでみたい気がします。
この作品はヤンマガwebにて一部無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。