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宙に参る(そらにまいる) 第一巻 登場人物・あらすじ・感想

投稿日:2020年3月7日 更新日:

宇宙
宙に参る(そらにまいる) 1
torch comics
著:肋骨凹介
出版社:リイド社

人が宇宙で暮らし、人工知能にも一定の権利が認められている時代。
夫を亡くしたフリーエンジニアの鵯ソラ(ひよどり そら)は息子の宙二郎(ちゅうじろう:ロボット)と共に夫の遺骨を抱え、夫の実家へ向かいます。

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登場人物

鵯ソラ(ひよどり そら)
フリーエンジニア
夫の遺骨を持ち彼の母親に会う為、旅に出た。
呪文(コンピューターに直接命令を下せる)によりリンジン回路(多分AI制御回路)に介入出来る凄腕のエンジニア。

十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかないを地で行く人。
政府、企業問わず彼女の動向に注目し、その技術を手に入れようと画策するが、本人は宇宙の旅を満喫しているようだ。
日本酒とおでんが好き。無重力下におけるトレーニングは嫌い。

鵯宙一(ひよどり ちゅういち)
ソラの夫(故人)
以前ソラも務めていた大宙重工勤務のエンジニア。
長い解説を好んで用いるが、行動理由は面白いか否かに振られている気がする。
ソラとはパズルのピースがハマる様に相性はピッタリだったようだ。

鵯宙二郎(ひよどり ちゅうじろう)
宙一とソラの息子
リンジンとよばれるAIを搭載したロボットだと思う。
見た目はモニターから四本のチューブ型の手足が出ている様な姿。
制作者はソラであり関係性は定義上、母と息子ではあるが会話の様子は相棒、パートナー、友人といった方が近い感じ。

重さは長時間持つのはキツイぐらいらしい。
多分、昔のブラウン管テレビぐらいじゃないかな。

棋星
将棋に特化したAIを積んだ人工小惑星。
棋星の発したメッセージが元で、人格の存在を一部の人間達は主張している。

イキュ・ツウイ
ダウチテクノ技術営業
宇宙船等の部品を製造しているダウチテクノの営業。
上司の又肩からリンジンの魔女の噂を聞く。
その後、ソラがコロニーの鏡(ガンダムとかに出て来るコロニー(オニール・シリンダー)で居住スペースであるチューブの端から伸びている鏡の板)を呪文で操り公安の人型戦闘ロボを撃退しているのを点検用のロボで撮影。
動画を又肩に送信報告する。

又肩アカシ
ダウチテクノ技研局長
リンジン回路の制御権を奪う呪文。
それを使う魔女を探している。

キンバリー・マダン
ソラの大宙重工時代の上司
現在はソラの乗る航宙船(船といっても街一つが動いている感じ。居住区画は遠心力によって人口重力を発生させている)の第二客橋ユニットの機関長として勤務している。
サバサバした性格のお酒好きの女性。

ライト・リー
公安部特械課警部
公安がソラの能力を見る為、事実を知らされず彼女と接触する事になる。

あらすじ

夫である鵯宙一を亡くしたソラは、自身が制作した息子の宙二郎と共に遺骨を携え、彼の母親の下へ宇宙を渡る旅に出た。

一つの街が動いている様な航宙船で寄港地を巡りながら、ソラと宙二郎は旅を続けていく。

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感想

登場人物紹介でも書いた様に「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」というアーサー・C・クラークの法則を感じる作品です。

現在でも様々なモノにAIは搭載されつつあります。
スマホのsiriやGoogleアシスタント、車の自動運転技術も人工知能の走りの様な気がします。

これがドンドン進み、アンドロイドから白物家電にまで人間の周囲に存在する全てにAIが搭載され、そのすべてを言葉で操る事が可能なら。
それはクラークの言葉通り魔法と変わりないのでは無いでしょうか。

本作の主人公ソラの使う呪文と呼ばれる特殊な言語は、リンジン回路と呼ばれるAI制御回路のセキュリティーを抜けて、その制御権を奪う事が出来るようです。

イメージで言うと音センサーを介し、全てのシステムを僅かな言葉で掌握できるって感じでしょうか。
現在でも様々な電子機器はネットワークを介在して繋がっています。
作中でも恐らくスタンドアローンで動いている物以外は繋がっているのでは無いでしょうか。

つまり彼女は言葉一つで、それらの機器を意のままに操る事が出来るという事です。

まぁ、彼女の目的はお義母さんにお骨と息子(宙二郎)を見せる事なんでテロとか物騒な事は一切やる気は無いようですけど。

まとめ

今回書いた物に憶測が多いのは作中で明確な説明がない為です。
アマゾンの限定版【世界設定資料集付き】を買えば良かった……)
なので、上記はあくまで読んで感じた、こうなんじゃないかなという推測です。(見落としとか勘違いがあるかもです)

こちらの作品はトーチwebにて一部無料で閲覧いただけます。
作者の肋骨凹介(あばらぼね へこすけ)さんのアカウントはこちら

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※イメージはPixabayのFelixMittermeierによる画像です。
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