虚妄の女王 ~辺境警備外伝~ 1 ボニータ・コミックス
著:紫堂恭子
出版社:秋田書店
ルウム復活暦1005年、北方辺境国のエアドロム王国。
その王国で代々王族の護衛を務めて来たバンブラス一族の少女フィアンナは、王位継承者が次々と暗殺される中、次期女王であるセオドラ姫を一年後の戴冠まで警護するよう父である首長から命じられる。
登場人物
フィアンナ
バンブラス一族の首長の娘、16歳
代々王族の護衛を務めるバンブラス一族首長の一人娘。
剣の腕は未熟だが、その容姿が次期女王セオドラ姫に似ていた事で側仕えの護衛兵になる事を命じられる。
アドマッド
バンブラス一族の若者
一族の若手では一番の使い手。
フィアンナに剣の指導をしている。
マギー
バンブラス一族の若者
年若い女戦士。
剣士としては一族の男性よりも腕が立つ。
セオドラ
エアドロム王国次期女王
フィアンナに瓜二つの十七歳の少女。
高貴な生まれでありながら親しみやすく明るい少女。
前王アンバールの後継者争いで国は紛糾。
王位継承者が次々と暗殺され、セオドラも恐らく命を狙われている。
アルムール・レイム
王族にも近しいレイム家の若者
セオドラとはいとこにあたる青年。
国主催の馬上試合トーナメントに出場し見事勝利を収める。
あらすじ
父である首長の命を受け、アドマッド、マギーの他一族の若者達と王宮へ向かう事になったフィアンナ。
辿り着いた王城で、フィアンナは緊張で固まりながら護衛対象であるセオドア姫と対面する。
そんなフィアンナにセオドラは優しく微笑みかける。
気さくなセオドラは同世代の女性に飢えていたようで、護衛であるフィアンナにまるで友人の様に接した。
押しの強いセオドラに押し切られる形でフィアンナは彼女と様々な話をした。
セオドラからは彼女の生い立ち、父であるタイン公が謀反の疑いで僻地に送られ彼女は人質として王宮で育った事、王位継承者が消え継承順位の低かった彼女が王位を継ぐ事になった事。
続けて大変だったが良い事もあると、女王になれば両親に会える事、そして母親代わりだった乳母と離れたのは辛いが年の近い友人ができた事を上げた。
友人なんてとんでもない、そう恐縮するフィアンナにセオドラは彼女の事を尋ねた。
求められるままにセオドラと話しているうち、フィアンナは彼女を守らないとと強く思うのだった。
感想
王族の護衛を代々務める武門の一族、バンブラス。
そのバンブラスの娘であるフィアンナが今回の物語の主人公。
第一巻では護衛対象のセオドラが馬上試合にて賊に襲われ、フィアンナが影武者としてセオドラを演じる事となり……。
辺境警備の舞台だったルウム王国、その北側に位置する北方の辺境国エアドロム王国が今回の作品の舞台となります。
作中、セオドラが語る国の歴史によれば、彼らの起源は海賊行為を行っていたらしく、バイキングがモデルになっているようです。
その為か王宮も石造りの物では無く木造建築で、このブログでも感想を書いているヴィンランド・サガの建物を彷彿させました。
また王位継承を巡る権力闘争も今の所、誰が黒幕か全くわからず今後、フィアンナ達がどんな運命を辿るのかも不明です。
彼らがどうなるのか、辺境警備のキャラが前作逃げる少女の様に絡む事があるのか、先が楽しみです。
まとめ
今回の作品は国の中心を描いた物のようですので、辺境警備の隊長さんとか絡んで来てくれたら嬉しくて泣いちゃう気がします。
遠い国なので可能性は低いでしょうが……。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。