不良がネコに助けられてく話 3 少年チャンピオン・コミックスエクストラ
作:常喜寝太郎
出版社:秋田書店
行方不明になったカラス探しを通して、離れてしまった友人達と再びつながった不良少年のたかし。
完結巻であるこの巻では、たかしはカラスと卍と暮らす為、将来の事を考え始めます。
登場人物
ウィン
鮫島の飼い猫
他者と向き合い始めたたかしの言葉と行動で、鮫島の恐怖による交友関係は崩れた。
その事で独りぼっちになった鮫島にそっと寄り添った虎猫。
あらすじ
引き続くカラスと卍の里親探しを続けているたかし。
しかし、里親を名乗り出る人達はたかしには全員自分より立派な人に見えた。
誰が良くて誰が悪いのか分からない。
誰を里親とするのか決められないまま時間は過ぎ、たかしは搬入のバイトで一人の女性と知り合う。
その女性は猫の譲渡会のボランティアを行っており、バイトで野良猫を追い払った上役に噛みついたたかしを譲渡会に興味ないかと誘った。
譲渡会に参加したたかしは、年配のボランティアから猫は人と人との関係性を改善する任務を負って、それぞれの家庭に向かっている気がすると聞かされた。
彼女の言葉でたかしは改めてカラスと卍に癒された日々を思い出す。
二匹の任務がたかしの心を助ける事なら、自分が二匹に会うもう片方のパズルになれば良いのでは。
たかしの気持ちは里親候補を探す事では無く、どうすれば二匹と一緒に暮らせるだろうかという方向にシフトしていた。
感想
この巻で作品は完結、仲間に裏切られ高校にも行かず荒れていた不良少年のたかしは、カラスと卍という二匹の家族と暮らす未来の為、自分の生きる道を選択しました。
犬や猫の様な人の側で生きる動物は、飼い主の姿を現す鏡の様に感じます。
辛く当たれば委縮し怯え、人に牙を剥く様になるでしょうし、愛情を持って接すればそれに応えてくれる様に思います。
たかしは物語冒頭、短気で荒れてはいましたがカラス達に当たる事は一度もありませんでした。
そういう部分をあの二匹は感じ取っていたのかなぁと読んでいて感じました。
最後に、たかしと鮫島の猫(ウィン)に対しての会話が最高に楽しかったです。
まとめ
本当の最終話、カラスのニャ―――――ンで凄くグッと来ました。
前作「着たい服がある」同様、今作もとても楽しませて頂きました。
常喜さんの次回作も楽しみです
こちらの作品は日刊月チャンにて一部無料で閲覧いただけます。(21年5月現在)
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。