Driving Doctor(ドライビングドクター) 黒咲 3 ニチブンコミックス
原作:神尾龍
作画:ユウダイ
医療監修:福本祐一
出版社:日本文芸社
仁成大学医学部医学部長の安斎(あんざい)。
その安斎の知人の娘で安斎自身が自分の娘の様に可愛がっている女性、槇村夏奈(まきむら かな)。
心臓に問題を抱えるその夏奈を、友人であり外科部長でもある白河(しらかわ)から託された黒咲(くろさき)。
彼は夏奈を救う為、周囲の反対を押し切り発作を起こし運び込まれた彼女に人工心臓を取り付ける事を提案する。
その直後、黒咲に憧れを抱いた研修医、桜井(さくらい)が運転していたドクターカーが事故を起こし、同乗していた看護師の舞(まい)が救命に運び込まれる。
黒咲は一度心臓が止まった舞を救い、その後、夏奈の手術も成功させた。
ただ、夏奈の手術は彼女の命を救う為だったとはいえ、本人も彼女の母親もかつて脳死の妻、真衣から心臓を摘出した黒咲に対する不信感から望んでいない物だった。
登場人物
栗林仙蔵(くりばやし せんぞう)
三船山診療所で地域医療に従事する老医師
白髪の鋭い眼光の老人。
黒咲が研修医時代に指導を受けた。
別名、三船山の仙人。
星川カケル(ほしかわ かける)
人気ミュージカルスター
フライングシーンのリハーサル中に転落事故を起こし、救急に搬送される。
あらすじ
事故から一ヶ月、看護師の舞は順調に回復していた。
「助手席に座るのはお前だけだ」
黒咲に言われた言葉を胸に舞はリハビリを行う。
そんなリハビリの最中、舞は息抜きにサポートセンターの菜緒子を尋ねる。
こんにちはー、そう声を掛けた菜緒子はこんにちはと返したものの、沈んだ様子でため息を吐いた。
そんな菜緒子と軽口を交わした後、話を聞けば、黒咲が人工心臓を取り付けた夏奈がレシピエント登録を拒んでいるらしい。
登録しなければ心臓移植は受けられない、それにVAD(体外型人工心臓)はあくまで移植までの繋ぎでありずっとそのままという訳にはいかない。
菜緒子もそう説明しているそうなのだが、VADを付けたの病院側の独断でこちらは頼んでいないと主張しているらしい。
更には夏奈の母親は手術を強行した黒咲を傷害罪で訴えるとまで言っているそうだ。
そんな事になれば病院側としても困った事になる。
結果、黒咲に全ての責任を負わせ、彼を辞めさせるという話になっているようだった。
そんな話を菜緒子から聞いた舞は、黒咲に救命医を続けてもらうべく、夏奈さんを説得しますと鼻息も荒く立ち上がるのだった。
感想
今回は一命をとりとめた舞による夏奈の説得の他、事故を起こした研修医桜井と地域医療に携わる老医師栗林の出会い、落下事故を起こした人気スターと白河、その白河の思惑、黒咲の退職を巡った会議の様子等が描かれました。
命を救う為とはいえ心臓を機械に置き換えるというのは、患者にとって強い恐怖をもたらすのではないでしょうか。
更に女性であれば作中、夏奈が言う様に機械と繋がった体は見られたくない筈です。
また、夏奈の母親が黒咲の妻、真衣の件で黒咲に対し強い嫌悪感を抱いている事も問題が長引く原因となりました。
今回、読んでいて感じたのは、救命救急センターのスタッフたちの黒咲に対する信頼でした。
ぶっきらぼうで心の内を明かさない黒咲ですが、その行動により同僚たちから尊敬と信頼を得ている事が窺えました。
対話により互いの理解を深める事も重要だと思いますが、何よりそれを行動で示していく事が大事だなぁと今回のエピソードを読んでいて感じました。
まとめ
この巻のラスト、DD狩りと呼ばれる者がなにやら動いている事が分かりました。
次巻はそのDD狩りと黒咲は対決する事になるようです。
DD狩り、どんな奴なのか、黒咲との関係も含め読むのが楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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