不良がネコに助けられてく話 2 少年チャンピオン・コミックスエクストラ
作:常喜寝太郎
出版社:秋田書店
たかしに変わる切っ掛けを与えた二匹の猫、カラスと卍(まんじ)。
この巻ではそのカラスが行方不明になります。
登場人物
みーちゃん
となりのお婆ちゃんが飼っている猫
両耳と背中にぶちのある猫。
婆ちゃんの制止を聞かずおさんぽに出てしまった。
タカクラ
ショウが飼っている柴犬
名前を呼ぶとショウにしがみ付く。
カラスともすぐに仲良くなった。
鮫島恭一
坊主頭の転校生
たかしから仲間を奪い彼の居場所を奪った。
大柄で格闘技を学んでいる。
カオル
たかしの友人
茶髪のイケメン。
鮫島に怯え、友人二人と共に結果的にたかしを裏切る事となった。
あらすじ
一旦は里親を見つけたものの、先方の気持ちの変化(母親の勧めでカラスと卍を引き取ったが、母の言葉で引き取るのは違うのではという事と、命を預かる責任の事を考え返却された)で戻ってきたカラスと卍。
それから二週間程経ち、たかしは再び里親探しを始める。
そして連絡して来た人と会う為、たかしはカラスを連れて待ち合わせ場所の公園に向かった。
しかし、そこにやって来たのはたかしから居場所を奪った鮫島だった。
鮫島はたかしがカラス達の里親をSNSで探している事を知り、里親希望者のふりをしてたかしを誘き出したのだ。
一旦は鮫島を無視して帰ろうとしたたかしだったが、鮫島の挑発に声を荒げてしまう。
その声に驚きケージに入っていたカラスは入り口を開け逃走。
それに気を取られたたかしは、背後から鮫島にハイキックを浴びされてしまった。
意識を取り戻し公園内でカラスを探し彷徨う。
しかしその日、カラスを発見する事は終ぞ出来なかった。
感想
今回は逃げ出したカラス探しに関連して、仲違いしたたかしのかつての仲間とのつながりの再生が描かれました。
また、この巻ではたかしが何故不登校になったのか、彼を裏切った仲間の気持ち等、過去に何が起きたのか知る事が出来ました。
今回、読んでいて印象に残ったのは、たかしを学校から追い出した鮫島についてでした。
ガタイが良く、格闘技を学び喧嘩上等な鮫島。
彼は作中たかしが言う様に優しさによる繋がりでは無く、ずっと暴力と恐怖によって人間関係を築いて来たのでは無いでしょうか。
ただ、作中描かれた様に、恐怖によって作られた物は歪みを生み、最終的に人は離れていくように思います。
権力、金、暴力、そんな力で得た物はやはり脆く、笑顔と優しさで築いた物は柔軟で容易く壊れない。
今回のエピソードを読んでいてそんな事を感じました。
まとめ
第二巻では、たかしは失った友人と居場所を取り戻しました。
それは以前と全く同じでは無く、たかしの変化によって、より優しく柔らかく温かい物である様に思いました。
こちらの作品は日刊月チャンにて一部無料で閲覧いただけます。(21年5月現在)
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。