小説長編

ゴブリンスレイヤー 第十四巻 あらすじ・感想

投稿日:2021年5月6日 更新日:

ヴァイキング
ゴブリンスレイヤー 14

著:蝸牛くも
画:神無月登
出版社: SBクリエイティブ GA文庫

ゴブリン退治しかしない変わった冒険者、ゴブリンスレイヤーの物語、第十四弾。
今回はゴブリンスレイヤーの提案で北の雪山を超えた先、ヴィーキングと呼ばれる海の勇者の住む北方辺境へと向かいます。

ゴブリンスレイヤーは、いつも通りゴブリン退治をします。

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冒頭部分 あらすじ

牛飼い娘は最近、少し様子のおかしいゴブリンスレイヤーの事を相談する為、彼のパーティメンバーの女性二人、女神官と妖精弓手を勇気を振り絞り食事に誘った。

その食事の席で牛飼い娘がゴブリンスレイヤーの様子がおかしい事を持ち出すと、女神官達もその事には気付いている様だった。
どうもこの間の迷宮探検競技から彼は変わり始めた様に感じる。

それが良い事なのか悪い事なのか。
思えば最近、彼のライフワークであったゴブリン退治以外の仕事も結構こなしている。

体の疲れか心の疲れか。
妖精弓手は言う。

「体が疲れているなら休む、心が疲れているなら楽しい事をする」

その後、彼女はつまりさと続ける。

「連れて行けばいいのよ、冒険に」

一方その頃、ゴブリンスレイヤーは馴染みの鍛冶屋で装備を整えていた。
今度は何処へ冒険に行くんだ? 鍛冶屋の親父が尋ねるとゴブリン退治だろうと彼は答える。

代わり映えしねぇなぁ。
それに「うむ」と頷いたゴブリンスレイヤーは迷宮探検競技で知り合った黒の縞瑪瑙(ブラックオニキス)を持った駆け出し冒険者の娘の事を尋ねた。
親父はちょこちょこ来て、買っていく今のとこはお得意様だと返した。

そんな話をしていると親父が小鬼退治ばかりで行きたい場所は無いのかと尋ねる。

行きたい場所。
思えば砂漠、森人の里、古代の遺跡と以前では考えられない場所に行った。

己の内に望みなど……
そう思った彼の心にある光景が浮かぶ。
それは幼い頃、聞かされた英雄譚(サーガ)の舞台。
北の山の向こう、北方辺境だった。

感想

今回は北方の戦士、いわゆるヴァイキングをモデルとした海の戦士たちと共にゴブリンスレイヤーはいつも通りゴブリン退治をしました。

ヴァイキングといえば、このブログでも感想を書かせて頂いているヴィンランド・サガでも描かれている様に、船に乗り各地を略奪して荒らしまわった海賊というイメージが強いのではないでしょうか。

実際、生活の為、略奪行為を行っていた様ですが、同時に彼らは北欧神話におけるヴァルハラの存在を信じ、勇敢に戦った者はヴァルキリー(戦乙女)に導かれ神々の最後の戦い、ラグナロックに勇者として参加出来ると考えていた様です。

その為、非常に勇敢で死を厭わず、己の勇猛さを鼓舞する様な戦い方をしていた様でした。

この作品に登場した北方の戦士たちもそのヴァイキング同様、死を恐れず巨大な怪物に戦いを挑みます。

ヴィーキングと冒険者。
どちらも戦いの場に身を置く人々ですが、その戦い方の違いが読んでいて楽しかったです。

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まとめ

マリンアドベンチャーはTRPGの世界では色々制約がある様に思います。
今回は船の上でしたが、基本、鎧を着こんだ戦士は沈むでしょうし、補助する魔法の効果も無限ではありません。
ただ、そんな制約があっても海には様々な魅力的な怪物やシチュエーションがある様に思います。

今回は凍える北の海でしたが、暖かい南の海の冒険もいつか読んでみたい気がします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Jill WellingtonによるLothar Dieterichからの画像です。
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