家族遊戯 ヤングキングコミックス
著:森山大輔
出版社:少年画報社
ゴミ袋の山の中に身を潜めていた少女。
ガラの悪い男達に追われていた彼女は、酔っぱらいそのゴミ袋の山に嘔吐した老人に救われます。
彼に導かれ向かった先では、奇妙な家族ごっこが展開していて……。
登場人物
平治(へいじ)
かつて匠の平治と呼ばれた凄腕の詐欺師
短髪白髪の老人。
昼間は認知症の影響で家にいる三人の少女を家族だと勘違いしている。
認知症は酒が入ると改善する模様。
かりん
発育が悪く小学生に見える少女
実際は十六歳。
その幼い容姿を使い、詐欺グループの仕事を手伝っていた。
もも
平治の家では母親役を演じている少女
ロングヘアーを後ろで一つに纏め流した少女。
りんご
平治の家ではももの息子役としてさらしを巻き男装している。
短髪で恥ずかしがり屋の少女。
あらすじ
見知らぬ老人に追ってから救われた少女。
彼女が老人の家で目覚めると、彼は昨日のしゃっきりした様子とは打って変わって、認知症が進んだボケ老人と化していた。
昨夜出会った女性と少年は彼に合わせ、母親役と息子役を演じている。
そして彼女達は少女にも老人の孫娘、かりんの役を振った。
どうやら老人がボケているのを良い事に、二人はこの立派な家に入り込んだようだ。
そう推測し貯め込んでそうだもんなと笑みを浮かべると、母親役のももはあんたも乗る?と協力するなら家にいてもいいと取引を持ち掛けた。
それに少女は詐欺師なんて大嫌いだと返した。
そんな少女にももはスマホと翳しつつ、同じ穴のムジナじゃないと彼女も犯罪に関わっている事を指摘した。
弱みを握られた少女はももの話に乗り、老人の孫娘かりんとして偽物の家族を演じる事となった。
感想
年老いた凄腕の詐欺師と訳ありの少女三人が織りなす、詐欺グループを標的にしたクライムサスペンス。
内容的には三人の少女の持つ過去にまつわる犯罪を、平治を中心に少女たちそれぞれの能力を生かし、詐欺を暴き潰していくといった物となっています。
人当たりがよく警戒心を持たれない為、情報収集の特異なかりん。
その情報を分析し探るコンピューターのエキスパートもも。
実行部隊として鍛え抜いた武術で敵を打倒すりんご。
そして、彼女達を纏める平治。
ナンバリングが無い為、一巻完結作かと思われますが、もっと読みたいと思える読み応えのある作品でした。
まとめ
感想で書いた様に一巻で終わるのが勿体ないと思えるぐらい、面白くていい作品でした。
全然、いい事では無いですが、詐欺はよくそんな事思い付くなというぐらい沢山あるので、それをモチーフに描いて欲しいと思いました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
こちらの作品は少年画報社の公式サイトにて冒頭部分がお読み頂けます。
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