※イメージはアライグマ
お前、タヌキにならねーか? 1
著:奈川トモ
出版社:一迅社
住宅街の踏切、暗い目をしたOLが降りた遮断機を潜ろうとしていました。
「おい、死ぬのか?」
そう呼び掛けたのは何処からどう見てもタヌキでした。
登場人物
こがね丸
タヌキになる仲間を探している世話焼きタヌキ
人の姿に化けた時の姿は黒いキャップを被った背の高い青年。
野々原(ののはら)
仕事に疲れたOL
疲れ果て自ら命を断とうとしていた。
おじさん
家族と折り合いが悪い眼鏡のおじさん。
彼もまた死を選ぼうとしていた。
ハヤト
正確の悪いホスト
小学生にきつく当たった所をこがね丸に見られ、タヌキに姿を変えられる。
日向(ひなた)
ハヤトに凄まれた小学生。
ラーメン屋の娘
黒髪ポニテのサバサバ女子。
表には出さないが父親の病の事で落ち込んでいる。
ラーメン屋
ラーメン一筋の頑固親父。
口は悪いが明るく元気。
命に係わる病を患っているようだ。
AZ(アズ)
こがね丸とは逆に人の心に入り込み、破滅させようとしているタヌキ。
中二病。
長老
名前の通り年老いたタヌキ。
彼のキンタマ踊りは鉄板ネタらしい。
美々子(みみこ)
山で迷子になった少女。
母親を亡くし悲しみを抱えている。
タヌキチ
恩返しの為、人間と夫婦になったタヌキ。
夫婦仲は良好。
リク
怪我を負ったタヌキチを世話した女性。
黒髪ショートで眼鏡な女性。
彼女もタヌキチ(田沼小吉:たぬま しょうきち、人間名)の事が大好きなようだ。
篠原(しのはら)
くせ毛ショートの女子高生。
大人しい山咲を虐めている。
山咲(やまさき)
お下げ眼鏡の女子高生。
両親が離婚し現在は母親と二人暮らし。
あらすじ
仕事に疲れ切り暗い目で遮断機の下りた踏切に入ろうとしていたOLの野々原。
彼女はタヌキに声を掛けられ、人間やめるならタヌキにならねーか?と誘われる。
全てに疲れていた野々原は幻聴かと思いながらも、それに「うん」と返答した。
それを受けてタヌキは野々原に術を掛け、彼女をタヌキの姿に変える。
普通であればパニックを起こしそうな状況だが、疲弊した彼女にはそれさえも億劫だったのか、人間には向いていなかったと変化した姿を受け入れた。
その後、山に導かれ小川の水を飲み、その美味しさに感動した野々原はいつの間にか人の姿に戻っていた。
彼女に合わせその身を青年に変えたタヌキは、それでいいと優しく微笑んだ。
彼は言う「死ぬのが怖い」「水がうめえ」、そういった普通の感覚が戻れば術は自然と解けるらしい。
仲間が増えると思ったが、そう言って立ち去る青年を見た野々原は帰りたくないと強く思った。
その瞬間、野々原の身は再びタヌキへと変わっていた。
感想
お人好しな化け狸、こがね丸達と様々な人が織りなすハートフルな現代ファンタジー。
作品は冒頭の野々原の他、問題や悩みを抱えた人たちがこがね丸達と関わる事で再生していく様子を描いています。
物語や描き方はソフィティスケートされていますが、描かれている問題は身の回りでも起こり得るものばかりの様に読んでいて感じました。
ともかくとして、タヌキ可愛いです。
個人的には中二チックなAZとお爺ちゃんな長老が特に好き。
まとめ
次はどんな人が登場するのか、次も楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この作品はpixivコミックにて一部無料でお読みいただけます。
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