自転車屋さんの高橋くん 3 torch comics
著:松虫あられ
出版社:リイド社
朋子(ともこ)の愛犬たもつの事で東京へ向かった遼平(りょうへい)と朋子。
その東京で遼平は自分を捨てた父親と偶然の再会します。
遼平は最初は真っすぐに父に怒りをぶつけますが、彼との会話の中で遼平よりも自らのしたい事を父が選んだ事を知り悲しみを覚えました。
その夜、朋子は求められるまま遼平の頭を胸に抱き、彼と共に眠りにつくのでした。
登場人物紹介
課長
朋子の上司
パワハラとセクハラ、陰口等、一言でいうならクソ野郎。
カナエ
遼平の友人まさやんの奥さん
垂れ目美人な美容師。
朋子の髪をカットした。
じじい
遼平の祖父
白髪髯の麻雀好き。
遼平とは口喧嘩しながら、お互い好きな事を言い合う関係。
二階で遼平と朋子が床をギシギシさせた事にイラついていた。
あらすじ
遼平と抱き合って一晩過ごした朋子。
朋子は愛犬だったたもつを失い、遼平は父の言葉に深く傷付いていた。
彼らは互いをいたわり合いつつも、遼平は父への思いを上手く言葉に出来ず、朋子に伝えられる様になるまで待って欲しいと告げた。
後日、同僚で親友のキミの送別会に参加した朋子。
送別会の会場だった居酒屋の隣の席では偶然、遼平達が飲み会をやっていた。
課長のセクハラから逃げ、トイレに立った朋子はバッタリ遼平と出くわす。
その後、席に戻った朋子に課長は執拗にちょっかいを掛ける。
そんな様子を遼平は一緒に飲んでいたまさやんとテルに押さえられながら、歯軋りしつつ聞いていた。
送別会が終わり、店から課長は朋子を強引に二次会へと誘う。
課長が朋子の肩に手を回し、彼女の事を愛人と言った瞬間、同じく店を出ていた遼平は限界を超え課長の手を捻り、怒りのまま課長を蹴りつけた。
遼平はその後すぐにまさやん達に回収され、彼らは逃げる様にその場を去った。
騒めく同僚達の中、朋子は様子を見て来ると遼平達の後を追い駆けだした。
感想
今回は東京からの帰り道、遼平の過去の回想と、送別会からの遼平と朋子のすれ違い、朋子の退職、ショートカット朋子等が描かれました。
作中、遼平とキミの会話でも言われていますが、遼平の様に気持ちのままに相手に憤りをぶつけるよりも、朋子の様に先を考え我慢する事を選んでしまう人が世の中大半では無いでしょうか。
誰だって上司には睨まれたくは無いでしょうし、遼平の行動を捕まって欲しくないと諫めた朋子の気持ちも理解出来ます。
ですが、以前「ミステリと言う勿れ」で語られた様にこの場合、問題なのは課長であって、暴力に訴えた遼平に問題はあっても彼の怒りは当然の物の様に思います。
立場を利用し下の人間に横柄な態度をとる人達。
そんな人たちはひとたび、その地位を失えば誰からも相手にされなくなるのでは無いでしょうか。
逆に遼平の様に自分の大切なモノの為に怒れる人は、どんな状況に置かれても周囲の誰一人として彼から離れない様に思います。
朋子が会社を辞めたのも、自分にとって一番大切なモノは何か気付いたからではと今回、読んでいて感じました。
まとめ
三巻を読んでいて山本の事、嫌いでしたがほん少し見直しました。
本当にほんの少しですが……。(ドラえもんの事、悪く言った事が多分尾を引いている)
次巻は会社を辞めた朋子の今後が描かれるのでしょうか。
次も楽しみです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。