よふかしのうた 6 少年サンデーコミックス
著:コトヤマ
出版社:小学館
友人のマヒルと吸血鬼のキク。
自分が吸血鬼だとマヒルに告げていないキクに、コウはその事を言う様に迫りました。
そんなコウにキクは狂気を滲ませ凄みます。
その場はマヒルが乱入した事でキクは狂気を引っ込め、彼に吸血鬼である事を伝え立ち去ろうとします。
ですがマヒルはキクの腕をつかみ、彼女が吸血鬼でも好きだと告白しました。
それを聞いたキクの顔は歪んだ微笑みを浮かべていました。
あらすじ
吸血鬼に恋した上で血を吸われる。
それが吸血鬼になる方法だ。
マヒルはキクに恋をしてはいたが、自分自身が吸血鬼になる事については迷っていた。
彼女との出会いは実家の花屋の手伝いだった。
バーに花を届けにいった際、客として来ていたキクに花言葉を尋ねられたのが切っ掛けだった。
その後もバーで何度か会い、大人の女性であるキクにマヒルは魅かれていったのだ。
そんな事を屋上の扉の前の階段で思い出していると、幼馴染のアキラが話しかけて来た。
マヒルは同じく幼馴染のコウが、吸血鬼になると決めている事への憤りをアキラに打ち明ける。
吸血鬼になるってなんだ。
なったらどうなる?
血を吸うってどんな感覚だ?
何年生きる?
「なんであいつは……こんな事簡単に決めちまえるんだ?」
マヒルがアキラにそう尋ねた時、階下から声が掛けられる。
マヒルの友人二人が彼を見上げていた。
それを見たアキラは席を外すよと言って腰を上げた。
去り際彼女は言う。
「コウは馬鹿だからだよ、それだけ」
階段を降り廊下を歩きながらアキラは思う。
マヒルは賢いから簡単には決めない。
悩んで、悩んで、悩んだふりをしながら本当はもう決まってる。
マヒルに話しかけた二人は、最近付き合いの悪い彼を責めた。
マヒルはそんな二人に吹っ切れた様に笑って言う。
「悪ぃ、俺、お前らといても楽しくねぇから」
結果としてマヒルはボコボコにされたが、同調圧力を振り切った事でとてもスッキリと吸血鬼になると決意していた。
感想
今回はマヒルの葛藤から始まり、ナズナとコウの東京観光、コウと吸血鬼達の女子会、男四人で銭湯、探偵アンコと吸血鬼の弱点、夜の病院とナズナの過去等が描かれました。
マヒルはコウ程極端ではありませんが、彼もまた周囲のクラスメイト達に合わせる事に疲れていた様です。
あらすじで書いた本音を言ったシーンの彼はとてもいい笑顔で笑っていました。
人は集団で生きる生物ですが、学校や会社等、自分の意思に関係無く集められた群れでは、合う合わないが出る事も当然だと思います。
そんな合わない人々に無理に合わせ生きる事は、自分自身をすり減らしていっている様に感じます。
自分を飾らず無理に合わせず、自然体で生きていけたら。
そんな風によく思います。
友人に楽しくないと言ったマヒル。
その後、アッ君(メンヘラさん、吸血鬼の一人セリの眷属)と一緒に風呂に入っていた時の彼はとても楽しそうでした。
彼は集団から飛び出して、本当の自分になれたのではと読んでいて感じました。
あと、夜の病院で怯えているナズナは凄く可愛かったです。
まとめ
この巻のラスト、ナズナの過去を探りにコウとナズナは吸血鬼の一人であるカブラが勤務する病院へと潜入しました。
ナズナとカブラの過去、二人の関係等、色々気になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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