アルテ 14 ゼノンコミックス
著:大久保圭
出版社:徳間書店
貴族の娘アルテが画家であるレオの弟子として画家を目指す物語。
枢機卿シルヴィオから、カスティリア王国王女、カタリーナのスパイになれと言われたアルテ。
彼女はそれを断り無実の罪で投獄されました。
その事がレオからカタリーナに伝わった事で、監獄から出る事は出来ましたが無実とはいえ罪人となった今、アルテがフィレンツェに留まる事は出来なくなりました。
冒頭あらすじ
フィレンツェには留まれず、勿論レオにも会う事は出来ない。
その事で落ち込んでいるアルテを見て、カタリーナはフィレンツェ滞在中、共に遊んだ街の子供達に一通の手紙を託す。
届くかどうかも分からない、無事に届き読んだとしても彼が内容を理解し動いてくれるか分からない。
そんなか細い希望をアルテに話す事は出来ず、カタリーナは落ち込むアルテには何も知らせず彼女と共にフィレンツェの街を後にした。
一方、手紙は託された子供達のポケットをすり抜け石畳の上に落ち、その後降り出した雨に打たれていた。
その翌朝、アルテの友人ダーチャは落とし物らしい手紙を拾う。
あて先はレオの工房だった。昨日約束の時間に現れなかったアルテの事もあったダーチャは工房を訪れレオにアルテの事を尋ねる。
彼の答えは急用で遠方の母親の下へ行ったという物だった。
更に尋ねようと口を開きかけたダーチャだったが、レオの形相(普通に見返しただけ)に怯え拾った手紙を渡すとそそくさとその場を後にした。
一人になった工房の中、レオは受け取った手紙の封を開ける。
その手紙には街の名前が記されているだけだった。
訳が分からずしばし黙したレオだったが、その街の名の意味に気付くと手紙を握りしめ思わず駆け出していた。
感想
アルテはフィレンツェを離れ、カタリーナの宮廷画家として彼女に同行し旅をする事になりました。
カタリーナの気遣いで師匠のレオにも会え、アルテは自分の気持ちを伝えました。
その後、レオに送り出されたアルテは、本来の自分を取り戻し再び前を向いて進み始めます。
当時の画家の到達点の一つだろう宮廷画家になったアルテ。
この巻の後半では金で貴族の地位を買った母親の実家にカタリーナ達とともに逗留する事になります。
物語冒頭、家を飛び出して以来会っていなかった母との再会。
エピソードを読んでいて、貴族とは名ばかりでカタリーナとの繋がりを持とうとしたり、フィレンツェにアルテを引き渡そうする母親の実家の人間の中で、アルテの母だけが貴族としての矜持、人としての高貴さを持っている様に感じました。
まとめ
母親の実家へと逗留し、母との再会を果たしたアルテ。
次巻ではその母との関係が描かれるのでしょうか。
宮廷画家となったアルテが今後どうなるのか、レオとの再会は叶うのか、先が楽しみです。
この作品はコミックゼノン公式サイトで第一話が無料でお読みいただけます。
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