ダンジョン飯 9 ハルタコミックス
作:久井諒子
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン
狂乱の魔術師に対抗出来る翼獅子を探し、迷宮の探索を続けるライオス達。
その一方でエルフの迷宮攻略部隊「カナリア」の隊長、ミスルンと彼らに同行していたカブルーは、狂乱の魔術師が逃亡の為起こした崩落に巻き込まれ迷宮の奥深くに落下してしまいました。
あらすじ
敵に襲われたライオスは自分を呼ぶマルシルの声を聞きながら、意識を失った。
そして彼は出会った頃のマルシルの夢を見る。
当時の彼女はライオスがファリンを無理矢理、迷宮探索の為、学校から連れ出したと思っておりライオスに対し強い嫌悪感を抱いていた。
ファリンを学校に連れ戻そうとするマルシルに、ライオスは一緒に探索に行こうと提案する。
迷宮探索は初めてだというマルシルに、自分やファリンが探索者と立派にやっている所を見せれば彼女も納得すると考えての事だった。
彼女がピンチになった所を華麗に救う。
そう説明するライオスにファリンは「兄ちゃん頭いい」と拳を握った。
しかし元々の知識と入念な下調べにより、マルシルはライオス達よりも遥かにスムーズに迷宮を進んでいく。
こんな筈ではと焦るライオスの頭にスライムが覆いかぶさる。
炎が苦手という特徴を知っていたライオスは、スライムを迷宮に設置された松明に押し付け難を逃れる。
しかし同様に襲われたマルシルはスライムに鼻と口を塞がれ溺死していた。
迷宮の危険を知ったマルシルは蘇生後、必ずファリンを連れ戻そうとするだろう。
そう考えため息を吐くライオス達だったが、ともかく彼女を蘇生させようとファリンの魔法でマルシルを復活させた。
復活したマルシルは自分が死んでいた事を知り、少し沈んだ様子だった。
それを見てライオス達は迷宮では、死もそれ程危険な物では無いとフォローの言葉を重ねた。
一瞬の沈黙の後、顔を上げたマルシルは瞳を輝かせて「最ッ……高!!」と両手を握りしめた。
古代魔術を研究している彼女にとって、魔力が濃く地上とは法則が違う迷宮は研究者として最高の場所だった。
感想
今回はライオス達とマルシルの出会い、サキュバス、翼獅子との対話、ミスルンとカブルー、そしてミスルンの過去と迷宮の成り立ちが描かれました。
今回登場したサキュバスは所謂夢魔では無く、姿を変え人を惑わ精気を吸い、それを体内でミルク的な物に変え幼虫に与える虫の魔物として描かれていました。
この作品に登場する食事はその殆どが美味しそうに思えるのですが、今回の物は虫がとても苦手なので無理だなぁと思ってしまいました。
出来上がりはとても美味しそうだったのですが……。
また、センシを誘惑したサキュバスがどんな姿だったのか、そちらも見てみたいなぁと思いました。(作中では描かれないけど、とても幸せそうに干乾びてた)
まとめ
翼獅子も登場し物語も迷宮の深部に到達しつつあるようです。
話は変わりますが、今月発売(2020年5月発売、第74号)の掲載誌ハルタにはダンジョン飯のフルカラーラフスケッチの乗った冊子(付録)が付いていました。
それぞれのパーティの日常の風景や着せ替え、現代風の服を着たカナリア等が描かれており、とても見ごたえがありました。
お読みいただき、ありがとうございました。