葬送のフリーレン 1 少年サンデーコミックス
原作:山田鐘人
作画:アベツカサ
出版社:小学館
魔王を倒した勇者一行。
その中の一人、エルフの魔法使いフリーレン。
長い寿命を持つ彼女は平和になった世界で、かつての仲間達が老い消えて行くのを見送る事になります。
登場人物
フリーレン
エルフの魔法使い
銀髪ツインテールの小柄な少女。
勇者ヒンメルと冒険に出る遥か昔、師匠だという女性との場面でも見た目に変化が無い為、相当な長寿だと思われる。
感情の起伏に乏しく、自身の感情にもかなり鈍感。
朝に弱く放っておくと昼まで寝ている。
パーティを解散した後は、一人で世界を巡り各地に散らばる魔法を集めていた。
ヒンメル
人間の勇者
仲間と共に魔王と戦い、世界を平和に導いた。
自信家で優しく正義感に溢れた青年。
彼の真っすぐな行いは彼の仲間達に強い影響を与えた。
ただ、真っすぐすぎて欲望とかも駄々洩れだったりする。
アイゼン
ドワーフの戦士
ドワーフらしく立派な髯をたくわえた寡黙な男。
この世界のドワーフも人よりは長命のようだが、彼も確実に老いている。
僧侶ハイター
人間の僧侶
眼鏡を掛けた長身の男。
酒好きらしく、僧侶でありながらしょっちゅう飲んでいる。
晩年は酒を断ち戦災孤児の少女と共に暮らしていた。
フェルン
ハイターが拾った少女。
魔法使いとしての素質を持った黒髪の人間の少女。
ハイターは同じく魔法使いであるフリーレンに彼女を預けようと考えていた。
フランメ
フリーレンの師匠
大魔法使いと呼ばれる栗色の髪の女性。
後世、彼女の名を借りた偽の魔導書が世界中に出回る事になる。
あらすじ
魔王を倒した勇者一行は王都に帰還。
その冒険の終わりを五十年に一度の流星群「エーラ流星(半世紀流星)」で締めくくった。
その勇者一行の一人、エルフの魔法使いフリーレンは冒険の終わりを期に趣味である魔法収集へと旅だった。
魔王討伐の旅は十年かかったが、その時のフリーレンにはたった十年という感覚だった。
それから五十年後、世界各地を回っていたフリーレンは召喚に使う暗黒竜の角が品薄になっている事を商店で知る。
店主の話では暗黒竜自体、ここ三十年程目撃されていないらしい。
困ったフリーレンは不意にヒンメルに角を預けていた事を思い出す。
角を受け取ろうと、彼女はヒンメルが暮らす王都を五十年ぶりに訪れる事にした。
久しぶりに訪れた街は随分と様変わりしていた。
ヒンメルの家を探し街を歩く彼女に誰かが声を掛ける。
振り返った先にいたのは、年老いすっかり小さくなってしまったヒンメルその人だった。
感想
ファンタジーでは人気の種族『エルフ』。
その特徴は長い耳と洗練された容姿、そして長寿だと思います。
フリーレンはそんなエルフの魔法使い。
彼女は仲間だった勇者ヒンメルの死をきっかけに、人間を知ろうと自分達が旅した場所を辿り始めます。
ファンタジーだけでなくSF等でもテーマとされる種による寿命の違い。
以前ブログで書いたロードス島戦記でも、ディードリットは伴侶であるパーンを失っていました。
作中、時間はどんどん進み少女だったフェルンも、フリーレンを追い越し大人の女性へと変わって行きます。
過ぎて行く時間の中、変わる事の無いフリーレン。
読んでいると取り残される寂しさと、ノスタルジーに似た何か、それと同時に穏やかな暖かさを感じます。
まとめ
フィクションの中で永遠を生きる者は、エルフ以外にもヴァンパイアであったりロボットであったり結構登場する様に思います。
そういった作品の中で、彼らは愛した人を見送る側だった様におもいます。
長く生きる事がはたして幸せなのか、少し考えてしまいました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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