あおのたつき 2 ゼノンコミックスBD
著:安達智
出版社:コアミックス
新吉原京町二丁目、羅生門河岸の角、九郎助稲荷のその奥。
浮世と冥土の境となる場所に冥土の花街があるという。
今日もそこに道に迷った遊女が一人。
登場人物
恐丸(おそれまる)
榎本稲荷の奥にある鎮守社の宮司
悪霊絶対殺すマン。
悪霊になり掛けたあおを断罪しようとする。
あお曰く、ミノムシ野郎。
七里(ななさと)
元江戸町孔雀屋の遊女
妓楼内の諍いで顔に傷を負い、遊女としての価値を失い生き埋めにされた。
その事で楼主を恨み悪霊となる。
孔雀屋楼主
七里の妓楼の主
人情派に見せかけた人でなし。
綾乃井(あやのい)
江戸町孔雀屋の遊女
楼主は彼女を次期花魁候補に据えていた。
山田朝右衛門吉睦(やまだ あさえもん よしむつ)
首きり役人
その職業柄人々から忌み嫌われてはいたが、本人は義理人情に篤い人格者。
そめき
旦那の借金の形で苦界に落ちた。
店で山田と出会い話を聞いてもらった事で、彼に対し好意を抱く。
惚れっぽい。
鬼助(きすけ)
山田の家の下男
角の生えた少年。
人格者の山田を尊敬し慕っている。
あらすじ
鎮守社の宮司、恐丸。
悪霊の存在を許さないその恐丸に、悪霊の臭いを嗅ぎつけられた元遊女のあお。
恐丸は躊躇なくあおを断罪しようとするが、それを寸での所で新吉原の鎮守の社の宮司、楽丸が止める。
昨日、加賀屋の遊女、きよ花の客、紅花商人の徳の蛮行を見て悪霊になったあおには、その穢れが色濃く残っていた。
楽丸の祓いであおは悪霊から立ち戻ったものの、いつ悪霊になるか分からない者を恐丸は捨て置く気は無いようだった。
そんな恐丸に楽丸は、あおは共に魂を導く相棒だと返した。
そのやり取りの最中、社に新たな悪霊が現れる。
現れた悪霊の名は七里、儲けに走った楼主にあっさりと捨てられた憎しみに苦しむ元遊女だった。
感想
今回は顔に傷を負った事で楼主に生き埋めにされた遊女、七里のエピソードから始まり、斬首人、山田とそめき、山田の家の下男、鬼助とあおのお使い等が収録されました。
今回はその中でも楼主を憎み悪霊となった遊女、七里のエピソードが印象に残りました。
七里がいた孔雀屋の楼主も最初は、見世で死んだ遊女の供養の為に浄閑寺(遊女の投げ込み寺として知られる寺院)へ通う様な男でした。
しかし見世が繁盛し大きくなると、徳を失い文字通り忘八となっていった様でした。
現在の世でも彼の様に八つの徳、仁義礼智忠心孝悌を忘れ、拝金主義を貫いている人はいる様に思います。
そんな人を見ると、あの世にまでお金を持って行ける訳では無いのになぁと思ってしまいます。
まとめ
死者となっても金に執着するあお。
次巻では彼女が金を稼ぐ理由と過去が語られる様です。
次も読むのが楽しみです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。