ラストカルテ ―法獣医学者 当麻健匠の記憶― 4 少年サンデーコミックス
著:浅山わかび
出版社:小学館
動物の死因を探る法獣医学医を目指す二人の少年の物語。
今回は健匠と爽介が札幌でヒグマに遭遇するシーンからスタートします。
登場人物
佐内(さうち)
黒髪顎鬚の中年男性
エキノコックスによる感染で妻を亡くした。
雨竜尊(うりゅう みこと)
健匠(けんしょう)のクラスメイトの女子
肩口ショートのオシャレに熱心な女の子。
クラスの男子が自分に好印象を抱く中、興味のない様子の健匠と爽介(そうすけ)に興味を抱く。
於菟(おと)
爽介の友人
茶髪眼鏡の少年。
父親が営むバイクショップ「OTO MOTORS」でバイトしている。
キャンプに憧れを持ち、精悍なドーベルマンを連れキャンプする事を夢見ているが、家で飼っているのは隣のおばあちゃんから引き取ったうさぎのぽぽこ。
界川千夏(さかいがわ ちなつ)
獣医学科志望の高校二年生女子
金髪プリンロングのギャル。
実家が肉牛農家で、よい肉を作るため獣医師免許の取得を望む。
大阪出身。
シメサバ
健匠の家の車のボンネットに入り込んでいた猫
威嚇はするが人懐っこい。
あらすじ
ヒグマ。
北海道民が小学生、中学生、高校生の時に必ず対処法を教わる、日本で最強の猛獣だ。
出会えば人生終了。
対処法を教えてくれた女性教師は笑みを浮かべそう言っていた。
そのヒグマが札幌の街中、健匠たちの目の前にいた。
荒い息を吐き、興奮した様子のヒグマが振り下ろした右足を健匠は尻餅を突きながら回避。
その後、睨み合いになった健匠だが、初めて近くで見るクマの姿にカッコよさを感じていた。
その後、ヒグマは健匠の横をすり抜けるように突進。
弾き飛ばされた健匠は電信柱に頭をぶつけ、遠のく意識の中、爽介の姉、ライカが車でヒグマを跳ね飛ばすのを見た。
その後、健匠が病院で意識を取り戻すと、ベッドわきにいた爽介たちがヒグマがどうなったのか動画を見せてくれた。
それによれば、ライカに轢かれたヒグマは札幌中心部から10キロ程離れた美森森林公園に逃げ込み、捜索に入った警察とハンターによって死体が発見されたらしい。
そのクマはライカが轢いた事が原因ではなく、毒によって死亡していた。
感想
今回は冒頭、健匠たちが遭遇したヒグマの死の原因究明から始まり、クラスメイトのオシャレ女子、雨竜とスズメの巣、爽介の友人、於菟とうさぎのぽぽこ、関西弁ギャルの界川と牧草ロールの中から見つかったクロガミインコの死体、猫のシメサバと大学受験等が描かれました。
今回はその中でも紙面の半分を使って描かれたヒグマのエピソードが印象に残りました。
札幌といえば地方都市の中でも有数の大都市と印象があり、大きなビルが立ち並ぶ都会といったイメージを抱いていました。
しかし、作中の説明では周囲に森林と緑地が多く、野生動物が迷い込みやすい街のようです。
普段暮らしていると、猫やカラスの他、小鳥などしか見かけないので、そんな大型の猛獣が普通に街に出没するという事に驚きを感じました。
また、北海道の人々がヒグマへの対処法を学校で学ぶという事に、自然が身近に存在し、野生動物への距離も近いのだなと感じました。
このブログで感想を書いているクマ撃ちの女でも主婦が被害にあいましたが、そんなクマの被害も現実で起こるべきものなのだとエピソードを読んでいて改めて思いました。
まとめ
この巻の終盤、健匠たちは大学に合格し、法獣医学者としての一歩を踏み出しました。
次巻からは大学生となった彼らの活躍が見られる模様。
どんな事件が起きるのか、今から読むのが楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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