スノウボールアース 5 ビッグコミック
著:辻次夕日郎
出版社:小学館
E-RDEの灯(ヴィエルデ)のリーダー、相模逸石(さがみ いっせき)の英雄、鉄男(てつお)への嫉妬心を利用し、外宇宙での人類の最終決戦を妨害したのは、地球を氷漬けにしたヒトガタ怪獣の作り出した女、雪崩(なだれ)の仕業だった。
鉄男は逸石の怪獣ヘラクレスの死体を取り込んだ雪崩を倒すも、その戦いの中で逸石は生き残ったヴィエルデの子供たちを鉄男に託し死亡。
多くの被害と蒼(あお)を始め、負傷者は出たものの、ミシマモール側は一人の死者もなく、戦いに勝利したのだった。
登場人物
ヒト喰ライ
野良怪獣の中でも人間を喰う事に異常な執着を見せる怪獣。
瞳孔に特徴的な線が浮き出て、自力で超能力も使う。
拠点調査の移動中、鉄男たちが出会ったヒト喰ライは、記憶を読み死んだ逸石を模した人形を作りだした。
フェムラー
ヒトガタの分身、雪崩が育てている怪獣
人間を食べ続けた事で思考能力と感情を持った。
怪獣使いである操獣士を好んで食べる。
怪獣の中でも強力な個体、大怪獣三体相手でも圧倒出来る強さを持つ。
あらすじ
何とかE-RDEの灯(ヴィエルデ)とそれを影で操っていた雪崩を退けた鉄男たち。
その勝利に沸くミシマモールだったが、村長は拠点の移動を考えていた。
モールの位置はヒトガタの分身である雪崩によって、ヒトガタに伝わっただろう。
それにモールは東京にいるヒトガタから近すぎる。
そんなわけで西に拠点となる場所を村長は、逸石から託されたヴィエルデの生き残りたちに尋ねた。
外から来た彼らなら、拠点と出来る場所を知っているだろうと彼女は考えたのだ。
村長の言葉に生き残りの一人、那由他(なゆた)が心当たりがあると答えた。
そこは飛行型の怪獣、アーレスの操獣士だった那由他が、空から探しても見つけにくかった場所らしい。
検討を始めた村長に元々、モールを襲撃してきた敵だと反対的な意見も出たが、候補地を調査し那由他の言葉が本当なら、信用できると村長は判断。
その調査には鉄男が自ら手を上げ、那由他ほか、ヴィエルデの生き残りタミヤと共に調査に向かうこととなった。
感想
今回は戦いの後始末から始まり、新たな拠点の調査、ヒト喰ライとの闘い、新村候補地、引っ越しと怪獣たちの目的、雪崩とフェムラー、引っ越しの準備とユキオの不調、フェムラー襲来などが描かれました。
今回はその中でもユキオの不調が印象に残りました。
現在のユキオは脱出ポッドに手足が生えた、あくまで緊急時用の機体で戦闘用ではありません。
また、度重なる戦闘で機体の損傷も激しく、それを応急処置で誤魔化し戦ってきました。
そのことでユキオ自身では、機体制御に修正が追い付かない状態となってしまいました。
作品を読み始めていたころから感じていた、ユキオのメンテナンスが可能な施設、もしくは人材の登場を切に願います。
まとめ
この巻では鉄男たちの最終目標が定まりました。
現状でそれを行うのはボロボロのユキオの事もあり、かなり厳しい状況ですがそれをどう克服していくのか、続きが楽しみです。
この作品は、ビッグコミックBROSにて一部無料でお読みいただけます。
作者の辻次夕日郎さんのTwitterはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。