この世界は不完全すぎる 4 モーニングKC
著:佐藤真通
出版社:講談社
完全体感型VRゲーム「キングス・シーカー・オンライン」
そのゲームに参加していたデバッガー達はログアウト出来なくなり、バグが無数に存在する世界に閉じ込められる事になりました。
そんなデバッガーの一人、ハガはNPCの二コラと原因究明の旅を続け、旅の途中、デバッガーのアマノとアキラを仲間に加え、西部のベイル王国から南部スタマウ諸王連合の中心地へと向かいます。
その道中、シーカーのヤマナカに力を与えられたというNPCゲーデルと出会い……。
登場人物
山中(やまなか)
デバッガー
軽装兵士風の装備の男性。
村でいじめられていたゲーデルに同情し、デバッグストーンを使って力を与えた。
溝口レン
(株)エンタメイション所属のデバッガー
彫の深い金髪の男性アバター。
ストレス軽減の為、キスやハグ等のスキンシップが過剰。
宮崎アカネ
(株)エンタメイション所属のデバッガー
アマノと同様猫の獣人フェザーのアバター
彼女もレン同様、スキンシップが激しい。
語尾は「にゃあ」
アルバ
黒髪オカッパの少年。
レン達の指導者的存在。
あらすじ
ヤマナカから力を与えられたゲーデル。
彼は村を襲う巨人を次々と倒した。
しかし仲間を巻き込むその戦い方で、ゲーデルは仲間から疎まれ始める。
更にその事を窘めた村人も返り討ちにしてしまう。
村人の心はゲーデルの排除に向かっていた。
それを知ったハガは村人達を止め、原因の追及に乗り出す。
アキラはそんなハガにゲーデルを殺せばいいと事もなげに答えた。
彼女の考え方はシンプルに問題を起こした者は排除すればいいという物だった。
バグを修正したいハガ、平和的な解決を望む二コラは彼女を諫めるが、村人達はハガの言葉を無視してゲーデルを襲撃。
ゲーデルは襲い掛かって来た村人達を、何故自分を虐めるのかと泣きながら殺害した。
彼は村の生まれでは無く、何処まで行っても余所者だった。
そんな扱いを受ける事が辛くて、仲間になりたくてシーカーのヤマナカを頼り、力を与えて貰ったのだ。
しかし戦士になっても村人は受け入れてはくれない。
彼は戦士の力を捨てる為、滝の裏の洞窟に潜んでいたヤマナカの下を訪れる。
ゲーデルは泣きながら戦士を止めたいとヤマナカに懇願するが、彼に力を与えたヤマナカはボンヤリと立ったまま、何の反応も見せなかった。
感想
今回はシーカーのヤマナカに強化されたゲーデルのお話と、アキラの仲間がいるサイ公国の様子が描かれました。
今回はその中でもハガとアキラのプレイスタイルの違いが印象に残りました。
ハガはログアウト出来なくなった現在でも、変わらずデバッガーとして活動しバグの報告を続けています。
一方、アキラはゲームの世界で生きる事を重視しており、迷惑な存在は切り捨てる方向で動いています。
デバッグストーンの力を使う事で起こり得るバグ、それを危惧するハガと自分達を守る為なら力を使う事を躊躇しないアキラ。
作中一度、ぶつかり掛けた二人。
意見の違う彼らが今後、どんな関係になるのか、その辺りも楽しみです。
まとめ
この巻の終盤、二コラに乗り移ったテスラと同じメタAIが登場しました。
同じ存在にテスラはどうするのか? ハガ達の選択は?
次巻も読むのが楽しみです。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。