海が走るエンドロール 3 ボニータ・コミックス
著:たらちねジョン
出版社:秋田書店
経験を積むため商業映画の現場に雑用として参加した海(かい)。
その映画にエキストラとして出演した彼は、うみ子たちの大学に入学するというインフルエンサーのsora(そら)に気に入られ……。
登場人物
友保(ともやす)
海の大学の友人
黒髪ロングで眼鏡の青年。
小学生時代から監督を夢見てきた。
小林(こばやし)
海の大学の友人
坊主頭で鼻ピアスの青年。
なんとなく映画が好きで、まだ目標は定まってはいない。
周芳(すおう)
映像科の教授
丸眼鏡に髭の男性。
うみ子たちの講義を受け持つ。
うみ子のセンスと勘違いに期待を持つ。
小木(おぎ)
うみ子がVP撮影のアルバイトで入った現場のスタッフ
黒髪猫目の青年。
元はドキュメンタリーを撮りたくて業界に入ったが、食べれない体質で体がもたず、今の会社へ転職した。
宮本(みやもと)
soraの主演映画「染みる」を撮った映画監督
ちょんまげ丸眼鏡で髭のおじさん。
映画を撮る理由は世界にムカついてどうしようもなかったから。
あらすじ
インフルエンサーのsoraに気に入られ、動画配信されたことで海は大学内でも注目を集めていた。
そんな海を横目に、うみ子は後期の課題「暴力」をテーマにした作品の制作に取り掛かる。
課題について同級生の山口たちとも話し、どんなものにするか考えながら帰路に就いたうみ子の耳に、若者たちの会話が飛び込んできた。
「だから、アイツまじクソなんだって」
言葉も人を傷つける暴力に変わりはない。
そんな言葉を可視化できれば……。
作品の方向性は決まり、うみ子はどんなものにするか、構成を考え始めた。
感想
今回は冒頭、後期の課題とおせちと海、初日の出と撮りたい映画、課題と講評、新歓コンパとsoraと海、soraとうみ子と課題作品、海と芸能事務所、勘違い力と映画祭、うみ子と撮影現場、撮る理由などが描かれました。
その中でも今回は新歓コンパでのsoraの言葉が印象に残りました。
「自分の映画撮るために、自分を売るなんて安いことじゃない」
上記のsoraのセリフは芸能人になる事を渋る海に向けられた言葉です。
映画には多くの人が関わり、その人たちにも生活があります。
彼らの暮らしを背負うために、使えるものは何でも使え。
インフルエンサーとして成功しているsoraらしい言葉だと感じました。
映画以外でも音楽、小説、漫画など創作物が売れるためには、人に知られる必要があると思います。
俳優として知名度が上がれば、多額の宣伝費をかけなくてもファンは足を運んでくれるでしょう。
純粋な作品としての面白さ。
それだけで評価されたい。
しかし現実は認知度が低ければ見向きもされない。
作中、芸能事務所に所属することを決めた海を見て、彼もそんなことで悩んだのだろうかと思いました。
まとめ
この巻のラスト、海は卒業制作の作品にうみ子に出てほしいと頼み、うみ子はそれを快諾します。
海が撮る作品がどんなものになるのか、海を表舞台に立たせたいsoraの狙いとは。
次回も楽しみです。
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この作品は秋田書店オフィシャルサイトにて第一話が無料でお読み頂けます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。