メダリスト 3 アフタヌーンKC
作:つるまいかだ
出版社:講談社
いのりが目標としている狼嵜光(かみさき ひかる)。
そのコーチである夜鷹純(よだか じゅん)と偶然出会ったいのりとコーチの司(つかさ)。
光を目標とし、彼女に勝つ事を口にしたいのりに夜鷹は一生かけようが、君が光に勝てる事は無いと断言します。
絶句するいのりでしたが、司は夜鷹に言葉の撤回を求め、そして自分の一生を使っていのりを勝利まで連れて行く事を宣言するのでした。
そんないのりと司は、当面の目標として京都で開かれる西日本小中学生大会での優勝を目指し特訓を続けます。
そして大会当日、いのりはスケート靴を電車内に置き忘れた事に気付き……。
登場人物
獅子堂星羅(ししどう せいら)
スター広島FSC所属の小学五年生
自信家で元気一杯な少女。
小熊梨月(こぐま りつき)
岡山ティナFSC所属の小学四年生
毒舌オカッパ少女。
黒澤美豹(くろさわ みいひ)
スター広島FSC所属の小学五年生
人見知りで恥ずかしがり屋な少女。
星羅にライバル心を燃やす。
鬼虎カンナ(きとら かんな)
福岡パークFSC所属の小学二年生
ジト目お下げな少女。
怪力。
あらすじ
スケート靴は幸い十駅先で預かって貰っている事が分かった。
しかし問題は時間だ。司は絶対に間に合わせるといのりにウォーミングアップを指示し、駅に向かって走り出す。
一方のいのりは指示されたウォーミングアップをするも、やはり落ち着かない。
更に一番手の星羅が二回転サルコウを決め23.37という高得点を出した事で更に焦りを感じ再度、ウォーミングアップに向かった。
いのりは司に言われていた事を思い出し陸で一曲通してのプログラムの復習を始める。
踊りながら彼女の脳裏に夜鷹の言葉、そして勝つと言ってくれた司の姿が蘇る。
勝ちたい……勝ちたい 勝ちたい!
自分はスピードの事を褒められていたが、先ほど見た星羅の方がずっと早かった。
元気一杯じゃないと星羅には勝てない。
司が帰ってきて励ましてくれるのを待っているだけじゃ駄目だ。
司は夜鷹の言葉を否定し、自分の事を信じてくれた。
私も私ができると強く信じたい。
いのりは司が信じてくれた自分でいたいと、信じられる私でいたいと強く思った。
感想
今回は京都大会の様子の他、夜鷹とぶつかり居心地が悪くなった理凰(りおう)がルクス東山へやってくるお話の始まりまでが収録されました。
今回、印象に残ったのはいのりと同じく一級の絵馬についてでした。
彼女は十歳ながらも身長が高く、成長痛と過度な練習による痛みでこれまで結果を出す事が出来ていませんでした。
ですが、そんな状況でもスケートを嫌いなる事は出来ず、コツコツとコーチの蛇崩(じゃくずれ)とトレーニングを続けてきました。
一つ一つ積み重ねる様にして得た彼女のスケートはとても優雅で美しく感じました。
まとめ
皮肉屋で毒舌で褒められる事に慣れていない理凰。
コーチの司の事でぶつかったその理凰といのり。
次巻、二人がどんな事になるのか、読むのが楽しみです。
この作品はコミックDAYSにて第一話が無料でお読み頂けます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。