ラストカルテ ―法獣医学者 当麻健匠の記憶― 2 少年サンデーコミックス
著:浅山わかび
出版社:小学館
興味を持った事を仔細漏らさず記憶する能力を持つ少年、当麻健匠(とうま けんしょう)。
彼は動物の死の要因を探る法獣医学医を目指し、同じく獣医師を目指す茨戸爽介(ばらと そうすけ)と共に、美森大学付属の野生動物医療研究センターに持ち込まれる動物たちの死因を解明していく。
登場人物
大柳(おおやなぎ)
大甘製菓社長
黒髪眼鏡のおじさん。
製品のバウムクーヘンに混入したエゾヤチネズミについて、野生動物医療研究センターに混入経路の特定を依頼する。
相田まこと(あいだ まこと)
大甘製菓配送部
茶髪の青年。
瀬川龍也(せがわ りゅうや)
大甘製菓配送部
黒髪の青年。
健匠たちはネズミの混入について人の関与を疑い、相田と瀬川にも話を聞くことになる。
達美義孝(たつみ よしたか)
野生動物医療研究センター、センター長、准教授
黒髪サングラスの青年。
テンションが高く落ち着きがない。
爽介とは彼が幼い頃からの付き合い。
イシダ
爽介の家のペット、イシガメ
爽介が生まれる前から茨戸家で飼われており、爽介が高校生の時点で27歳だった。
可愛い。
赤平創士(あかひら そうし)
中学二年生
目つきの悪い少年。
学校の鶏小屋で雄鶏が死んでいるのを発見する。
その不愛想さから鶏殺害の犯人と周囲からは思われている。
あらすじ
野生動物医療研究センターに運び込まれた患畜。
エゾフクロウのエゾちゃん(雷火(らいか)命名)。
そのエゾちゃんを持ち込んだ酪農家を訪ねた健匠と爽介は、勝手に会いに行った事で雷火が怒っていると知り、彼女の怒りを鎮めるため、好物のバウムクーヘンを買いに出かけた。
二人は訪れた小水商店で、バウムクーヘンの入った段ボールにネズミの死体が混入している場面に遭遇する。
配送箱に入っていたのは混入の可能性の高い家ネズミではなく、森を住処とするエゾヤチネズミだった。
健匠たちは製造元である大甘製菓にクレームを入れる店主に、野生動物医療研究センターへ相談する事を勧めた。
後日、大甘製菓の社長、大柳がセンターを訪れ混入経路の調査を依頼。
雷火がネズミの死因を調べる一方で、健匠たちは工場に赴きネズミが配送箱に入ることとなった要因を調べていく。
感想
今回は冒頭、エゾヤチネズミの配送箱混入事件から始まり、センター長の達美登場とマガンの放鳥、健匠の感染症テストとイシダさん、テスト合格とアライグマの捕獲、赤平と雄鶏などが収録されました。
今回はその中でもヤンキーっぽい少年、赤平と雄鶏のエピソードが印象に残りました。
赤平は目つきが悪く不愛想な少年ですが、つがいの雌鶏と卵を守る雄鶏の姿に好感を覚えていて、クラスの当番制をみんなが嫌がる中、毎日様子を見に来ていました。
飼育小屋の金網の破れから狐が侵入し、雄鶏は雌鶏を守るために戦い狐にかみ殺されたようでした。
すべて、赤平と健匠たちの状況証拠からの推測にすぎませんが、自分を守り死んだ雄鶏に寄り添う雌鶏の姿がなんだか健気で、切なかったです。
作中、小屋を修理し雌鶏を守ると誓った赤平。
表面上、理解されづらい彼の本当の姿が周囲にも伝わるといいなとエピソードを読んでいて思いました。
まとめ
次回は鹿に犬、狐の他、新たなキャラクターも登場するようです。
解剖好きだという彼女のエピソードがどんなものになるのか、読むのが楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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