ラ・マキユーズ LA MAQUILLEUSE ~ヴェルサイユの化粧師~ 2 ブリッジコミックス
漫画:みやのはる
原案・監修:堀江宏樹
化粧品監修:なつなつ@研究職
出版社:KADOKAWA
滞在していたパリのホテルから突然、過去にタイムスリップした化粧品会社の研究職、江藤琉花(えとう るか)。
彼女はフランス革命前のパリで髪結いのレオナールと知り合い、彼の助手(メイク)として働きながら現代へ帰る術を探していた。
その仕事の一つとして訪れたワルテル商会で依頼者の夫人が突然の亡くなる。
毒を盛った犯人として牢に繋がれたのは、出入りしていた画家の娘ルイーズ。
しかし琉花は夫人の使っていた化粧品に大量の鉛や、猛毒であるヒ素が使われていたのではと疑いを持ち……。
登場人物
デュ・バリー
ルイ15世の寵妃
その美貌でお針子から王の寵愛を受けるまでになった女性。
琉花の持つ化粧品とメイクの技術を独占しようとたくらむ。
リシュリュー公爵
三銃士で有名なリシュリュー枢機卿の血縁
自らの権力を用い琉花を飼い殺しにしようとした。
琉花の教養と知識に目を付け、新たな王の寵妃として王宮に送り込む事を画策する。
アサーヴ
リシュリュー公爵の召使い
浅黒い肌の少年。
とても身軽で琉花の部屋から化粧品(ヴィクトワール)を持ち出した。
マリア・アントニア
マリー・アントワネット
快活なハプスブルク家第11皇女。
ルイ16世の妃となる少女。
あらすじ
酢を使った検査と自身の知識から、ワルテル夫人の使っていた口紅に鉛が入っていた事を突き止めた琉花。
しかし、舌を使った簡易の検査ではルイーズの無罪は勝ち取れない。
琉花はレオナールに頼み、今一度ワルテル邸を訪れる。
レオナールが召使いの女性から話を聞いている間に、琉花は夫人が使っていた化粧品を手に入れる。
更にワルテル邸で使われていた銀食器には黒ずみが付着している事が分かった。
化粧品に毒物が使われていた事への確信を強めた琉花は、帰宅後、化粧品をワインから抽出したエタノールで燃やし炎色反応を調べた。
口紅、化粧水、どちらも共に紫の炎を発した。
それににより、口紅には色素を色落ちさせない為の鉛丹。
化粧水には銀食器の黒ずみの事も加味され、ヒ素が使われている事が判明した。
更に、夫人の爪には明らかにヒ素中毒者の症状が出ていた。
以上の証拠を持って、琉花とレオナールは絵描きの娘ルイーズの無実を証明する為、以前面識を得たバルモン男爵の下を訪れるのだった。
感想
今回は冒頭、化粧品に含まれる毒素(鉛やヒ素)で亡くなったワルテル夫人のお話、その解決編から始まり、琉花の化粧品の材料探しと並行してリシュリュー公爵、デュ・バリー婦人、マリア・アントニア(マリー・アントワネット)等、有名どころの王族貴族が登場しました。
現状でデュ・バリーはまだ琉花との面識は無く、彼女の後ろ盾となっているリシュリュー公爵との交渉(ほぼ脅迫)の様子がメインで描かれました。
この時代の貴族は絶大な権力と財力を背景に、平民の人生を好き勝手にしていた事が窺えます。
更に琉花が女性である事を見抜いた公爵は、それを理由に琉花に脅しを掛けました。
読んでいて公爵には非常に憤りを感じましたが、当時の女性、しかも異国人の扱いは平民であればそんな物だったのかもしれません。
終盤、琉花を性別で無く、個人として見ていたレオナールが何だか素敵でした。
まとめ
この巻のラスト、アントワネットの身に事件が起こります。
彼女と琉花がどう絡むのか、今から読むのが楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この作品はComicWalkerにて一部無料でお読みいただけます。
漫画担当のみやのはるさんのTwitterはこちら。
原案の堀江宏樹さんのTwitterはこちら。