薫る花は凛と咲く 7 講談社コミックス
著:三香見サカ
出版社:講談社
夏休み、友人の朔(さく)の誕生日を祝おうと凛太郎(りんたろう)たちは彼の家を訪れる。
朔の家には彼の妹、澪(みお)もいて、彼女は笑顔で挨拶してくれたのだが……。
登場人物
夏沢澪(なつさわ みお)
凛太郎の友人、朔(さく)の妹(14)
黒髪肩口ショートの女の子。
不器用な朔に友人が出来た事を喜んでいる。
きなこ
朔の家の飼い犬
ゴールデンリトリバー。
可愛い。
美代子(みよこ)
薫子がバイトしている食堂の女将
黒髪まとめ髪の中年女性。
薫子から伝え聞いた凛太郎の外見の事で、凛太郎がどんな人間か気にしていたようだ。
あらすじ
朔の部屋に通された凛太郎、薫子、翔平、綾斗、昴の五人は朔の誕生日におめでとうを言いながら、それぞれが用意したプレゼントを渡した。
綾斗のプレゼントは朔が以前欲しがっていた腕時計。
早速、つけた朔は似合ってる等の周囲の声に顔を赤らめる。
そんな朔に翔平が渡したのはドーナツに手足がついたぬいぐるみ。
そのセンスに困惑しつつ、抱き心地がいいという翔平の言葉に朔はぬいぐるみをギュッと抱きしめた。
「……………………ありがとう」
本当に抱き心地が良かった様子の朔に、薫子はブックマークを手渡した。
よく小説を読んでいると凛太郎から聞き用意したもので、朔も純粋に喜んでくれた。
次は昴の番だったが、彼女のプレゼントはドーナツだった。
微妙に翔平と被った事で恐縮する昴に全然別物だからと朔は受け取った。
その後、昴は海で友達だと言ってくれた事へのお礼も兼ねているとつづけた。
「……お礼を言われるようなこと、俺はしてないよ……でも、ありがとう」
そんなやり取りの後、最後は凛太郎の手作りケーキの登場となった。
袋から取り出されたケーキはフルーツをふんだんに使った、色鮮やかな美しいケーキだった。
まるで売り物のような完成度のケーキに朔は「……すっご……」と言葉少なにケーキを見つめた。
感想
今回は冒頭、朔の誕生日でのプレゼントから始まり、不器用な兄、朔に友人が出来た事を喜ぶ澪、誕生日ケーキと頑張れる理由、朔の後悔と昴、文化祭と凛太郎たちの出会い、喜んでもらいたいと思う気持ちと喜んでくれる人、薫子のバイトとバイト先のおばちゃんなどが描かれました。
今回はその中でも朔に誕生日ケーキを作った凛太郎が、ケーキを食べた友人たちを見て思った事が印象に残りました。
凛太郎は朔のためにパティシエの父に教わりながら、一生懸命ケーキを作っていました。
ただ、美味しく出来たかどうか、いまいち自信が持てないようでした。
そんな凛太郎のケーキを薫子たちは絶賛してくれました。
作中、凛太郎が言った自分の方が喜ばせてもらっているんじゃないか、という言葉。
相手を思い何かを作り、それで相手が喜ぶことで自分も喜びを感じる。
人はそんな風にして繋がる事で幸せになっていく。
やっぱり、怒りや憎しみ、悲しみの連鎖より暖かいもので繋がっているのがいいな。
エピソードを読んでいて、そんな事を思いました。
まとめ
次巻では凛太郎は薫子の家にお邪魔する模様。
薫子の弟や母親と凛太郎は何を話すのか。
彼に対する二人の反応は。
次回も読むのが楽しみです。
こちらの作品はマガジンポケットにて一部無料でお読みいただけます。
三香見サカさんのTwitterアカウントはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。