ナナシ ~ナくしたナにかのさがシかた~ 4 ヤングキングコミックス
漫画:片山愁
原作:藤野晴海
出版社:少年画報社
怪異を見る事ができる少年ナナシと、彼と出会った事で見える様になったハルのもう戻れない日々を綴ったお話です。
母親を恐れつつも求めるナナシ、そんな彼とハルの距離はどうしようもなく離れていき……。
登場人物
サクライレイジ
ナナシの叔父
ナナシによく似た青年。
家が燃え行き場を無くしたナナシを引き取り、一緒に暮らしていた。
あらすじ
ハルがいくら寄り添ってもナナシは母親の呪縛から逃れられず、彼はハルの記憶に残る為、ハルの腕を折る等、危険な物にエスカレートしていった。
その折れた腕に手をやりゴメンと言いながら泣くナナシを、ハルは責める事無く受け入れていた。
彼を守るにはどうすればいいだろう。
答えの出ないまま時は過ぎ、ナナシも学校を休みがちになった。
そんなある日、ハルは担任からナナシに渡して欲しいと進路希望調査票を受け取る。
調査票を受け取りナナシの家へ向かう途中、ハルは公園にいたナナシと偶然出会う。
声を掛け調査票を渡したナナシは目に見えてやつれ憔悴していた。
目の下のクマを指摘したハルに、以前と同じようにナナシは笑ってごまかす。
そんなナナシの襟首を締め上げ、ハルは笑ってごまかすな、ちゃんと答えろと激高した。
お前一体なにやってんの!?
そう問い詰めたハルにナナシは暗い目で
……成功したと思ったんだ。
うまくいったって――
でも……だけどだめなんだ。
戻ってくる――
何が?
問い掛けたハルに「大丈夫、今夜、全部終わらせるから――」と告げ、ナナシはハルを置いて公園から立ち去った。
感想
今回はナナシが行っていた何かと、それの終わり、ハルとナナシの別れ等が描かれました。
人は大切なモノを無くした時、あの時こうしていれば、違う道を選べたのではないかと誰しも考えるのではないでしょうか。
この巻ではそんなハルの想いが強く出ていた様に読んでいて感じました。
ただ、ハルはずっとナナシに寄り添い続けていて、そんなハルの気持ちに応えなかったのはナナシである様にも感じました。
人の心はその人の物で、他者がどうにかしようとしても簡単に変わるものではない。
それでもハルはナナシに生きていて欲しかったし、だからこそ、その気持ちを裏切ったナナシに激怒したのだと、今回のエピソードを読んでいて思いました。
まとめ
この作品は次巻で完結です。
ナナシが残した日記に何が書かれているのか、それを読んだハルはどう思うのか。
ラストまで見届けたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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