ようこそ亡霊葬儀屋さん 1 ジャンプコミックス
作:吉良いと
出版社:集英社
烏丸葬儀屋の社長、烏丸枢(からすま くるる)は所謂「視える人」
彼はその才能を活かし、亡くなった人の願いを叶え成仏を助けていました。
登場人物
烏丸枢(からすま くるる)
葬儀社の社長
幽霊を見る事の出来る青年。
物腰は柔らかいが故人の願いに従って動く彼の行動は、身内を亡くし悲しんでいる遺族にとっては反発を起こさせる事もしばしば。
壊滅的に料理が出来ない。
皇光希(すめらぎ みつき)
25歳の若さで亡くなった女性
両親を早くに亡くし昼の仕事と夜の仕事を掛け持ちしながら弟の灯(あかり)と二人暮らしていた。
皇灯(すめらぎ あかり)
光希の弟
18歳の高校生。
自分が光希の足枷になっていると感じ、彼女に黙って就職する事を決めてしまう。
その事で光希と口論になり、そのまま死に別れてしまった。
久遠寺成実(くおんじ なるみ)
小説家(故人)
小説中心の生活を送って来た為、娘の色(しき)には嫌われている。
久遠寺色(くおんじ しき)
成実の娘
16歳の高校生。
家族を顧みない父親に憤りを抱いている。
五十嵐晴人(いがらし はると)
洋食店店主(故人)
父の後を継ぎ洋食屋を営んでいた。
看板メニューはオムライス。
五十嵐蒼(いがらし あおい)
晴人の弟
灯の友人であり外見はゴリゴリのヤンキー。
周囲からは出来の良い晴人と比べられ育った。
天野つばさ
長期入院中の少女
余りに長い入院生活で学校の友人や教師の足が遠のき、孤独を感じていた。
そんな中、紙飛行機を使った少年、空(そら)とのやり取りは彼女の心の支えとなっていた様だ。
手術を控え不安を抱いている。
空(そら)
つばさと同年代の少年(故人)
文通の途中で死んだ事により、彼女に返事を書けなかった事を悔やんでいる。
烏丸燐(からすま りん)
枢の兄
冠婚葬祭業をメインに扱う「楽園」という会社の社長兼モデル。
死者の声を真っすぐに伝えない彼を枢はよく思っていない。
あらすじ
葬儀社を営む烏丸枢は幽霊を視て会話も出来る体質。
彼はその力を活かし、亡くなった人々の願いを聞き届け成仏させる事をライフワークとしていた。
今回の依頼者は若い女性、皇光希。
彼女は弟の灯と口論したまま死んでしまった事を悔やみ、彼の自分の気持ちを伝えて欲しいと烏丸に願った。
願いを聞き入れた烏丸だったが、姉の心情を伝えた烏丸に視る事の出来ない灯は当然、激高した。
初めて会った葬儀屋が訳知り顔で故人の想いを語れば殆どの人間は激怒するだろう。
烏丸自身そんな反応に慣れているのか、申し訳ないと詫びる光希に特に気にした様子も無く、触れる事は難しいかもしれないが見せてあげましょうと、怒りのまま葬儀社を出た灯を追い光希の示した公園へと向かった。
感想
いなくなってしまった人ともう一度……。
この作品はそんな風に、生きている間に分かり合う事が出来なかった人々の架け橋として心のわだかまりを解き放ち、残った人の気持ちを未来に向かわせる。そんなお話です。
今回は母子家庭の兄妹、小説家とその娘、洋食屋の兄妹、そして入院中の少女と彼女に恋をした少年の四話が収録されました。
この物語では烏丸が死者との橋渡し役をしてくれますが、現実ではそういった事は恐らく不可能でしょう。
死は思ったよりも身近に存在し、別れは何時になるのか誰にも分かりません。
そうなった時、後悔しないように周囲の人達を大事にしていきたい。
読んでいてそんな事を改めて思いました。
まとめ
今回は第一巻という事で今後、メインメンバーとなる人々のお話が中心に展開されました。
烏丸の兄、燐(りん)が今後、どのように絡んで来るのか読むのが楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この作品は少年ジャンプ+で一部無料でお読みいただけます。
作者の吉良いとさんのアカウントはこちら。