ダンジョン飯 3 BEAMCOMIX
作:久井諒子
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン
迷宮の地下四階までたどり着いた一行。
クラーケンを倒し寄生虫をかば焼きにしたり、それを生でたべたライオスが、寄生虫に寄生していた虫に中ったりと色々あったが、オークから得た情報では、目指すレッドドラゴンまではあとわずか。
ファリン救出に向けて彼らの冒険は続く。
第18話 焼き肉
あらすじ
目的のレッドドラゴンまでもう少しとなった一行。
チルチャックの計画ではドラゴンが目撃された場所まで、あと野営二回ほどでたどり着ける想定だ。
次の休憩まで長くなりそうだという事で、マルシルが体を拭きたいと言い出した。
チルチャックたちは了承し、マルシルは魔法陣で湯を沸かす。
部屋を出ようとするチルチャックたちを引き留め、服を着たまま体を拭く。
気を遣わせてるとマルシルは感じる。
以前のパーティは、ドワーフのナマリやファリンがいた。
男女比が半々だったので、そう言う意味では気が楽だった。
パーティを抜けた二人の事を思い出しマルシルは怒りを覚える。
眠っていたライオスをチルチャックが起こし、マルシルにも声をかける。
マルシルは了解し体を拭いた湯を湖に捨てた。
なにげない行動だったがそれが良くなかったようだ。
水面から怒りをあらわにしたウンディーネが現れた。
ウンディーネはマルシルを狙い執拗に攻撃してきた。
高圧の水撃は石造りの壁や床をたやすく破壊する。
マルシルは逃げ惑ううち湖に落ちてしまう。
水上歩行の効果も薄れ、杖もない状況で何とか撃退を試みる。
魔法が炸裂しウンディーネは弾け飛んだように見えた。
倒した手ごたえを感じられないまま、遺跡にいる仲間の元へ向かうマルシル。
しかし、湖を歩く彼女の左足をウンディーネが貫いた。
ライオスたちは水上歩行が切れているため、助けに向かう事も出来ない。
マルシルは魔法を放ち、応戦するが水の中にいるウンディーネを見つける事は難しく、攻撃を当てることが出来ない。
魔力もつきかけた時、水の中を移動する赤いものを見つけた。
彼女の血を取り込んだウンディーネだ。
マルシルは最後の力で水中に魔法を放つ。
放った魔法の爆発で飛ばされたマルシルを、ライオスが辛くも受け止める。
だがウンディーネを倒すことは出来なかった。
ライオスたちは傷ついたマルシルを連れ、その場から一目散に逃げだした。
遺跡の上部に逃げ込んだライオスたちだったが状況は芳しくない。
マルシルは血と魔力を失い疲弊している。
他にパーティーに治療魔法が使えるものはいない。
他の冒険者に助けを求めるにしても、彼らは対価を持っていない。
あるのはケルピーの肉ぐらいだ。
肉…。
レバーは鉄分が豊富に含まれる。
焼き肉だ―!
マルシルの失った血を補うため一行は焼き肉の準備を整える。
センシが各部位を網で焼いていく。
レバーなどの内臓はしっかり火を通さないといけないということで、焼きあがった他の部位はライオスたちが食べ、マルシルにはレバーを優先的に渡していく。
次々と焼かれれる各部位、
バラは油が甘くやわらかい。マルシルにはレバー。
ヒレは口の中でとけるよう。マルシルにはレバー。
テールは不思議な味だった。マルシルにはレバー。
更にマルシルにはレバー。
レバーを飲み込んだマルシルは叫んだ。
他のとこも食わせろ!!
少し元気は戻ったようだが魔力不足は如何ともしがたい。
魔力草はセンシがバジリスクのローストに使ってしまった。
ライオスたちの焼き肉の香りをかぎ取ったものがいた。
それはかつてのパーティメンバー、ドワーフのナマリだった。
感想
やはりパーティメンバーに癒し手がいないのはかなり厳しいです。
ゲームではHPが1でも攻撃力が下がったりはしませんが、現実的に考えれば血を失ったり、四肢に怪我を負えば動きにも影響が出て来るでしょう。
癒しの魔法がいかに重要か考えさせられます。
今回はテンタクルスに刺され顔が腫れたライオスと、カエルスーツを着た四人が可愛かったです。