スインギン ドラゴン タイガー ブギ 4 モーニングKC
作:灰田高鴻
出版社:講談社
とらを売り込みたい丸山は、四方の誘いを受け名古屋でのラジオ局での面談にとらを誘います。
しかしその日はとらのファンである米兵のチャーリーの為の「必ずまたみんなで会おう会」(チャー会)の日。
局のお偉方との事より戦地へ出向くチャーリーの方が大事だと、とらは丸山とぶつかります。
登場人物
桃井
糸目のヤクザ者
チャー会に出演したピアニスト時子の件で森田経由で丸山と知り合う。
興行を主催しており、丸山達に仕事を振るが真の目的は別にある様だ。
あらすじ
有名作曲家、四方の誘いを蹴り戦地へ向かうチャーリーを優先したとら。
しかしその事でとらを売り込もうとしていた丸山と衝突、喧嘩別れしたまま彼女は会場である朝霞のグレートリバーに向かう。
とらは丸山抜きでも歌うつもりだったが、彼女の性格を知っている龍治は彼が来ないと気になって歌えないだろうと、ピアニストの時子と場を繋ぐ事を提案し、丸山が来るまでステージを盛り上げる。
一方その頃、場末の居酒屋で飲んだくれていた丸山の下に、森田が桃井という筋ものを連れて訪れる。
彼は仕事を投げ出しチャー会に出演したピアニストの時子の件で話合いに来た様だった。
森田は龍治のベースにぞっこんの時子に見切りを付け、丸山に交換条件だと、とらと時子のトレードを持ち掛けた。
丸山は当然それを断るが、森田はなら時子を少々荒っぽい手を使っても取り戻すだけと後始末を桃井に任せ居酒屋を後にした。
森田は桃井にチャー会をぶち壊す様、依頼していたらしい。
桃井は穏便に済ませたいと言いつつも、
「ご友人達を二度と音楽のできない身体にさせたくはないでしょう」
と丸山を脅す。
丸山は不本意ながらも桃井に借りを作る形で、彼が差し出した名刺を握り占め、とら達の待つグレートリバーへ走った。
感想
今回はとらの才能に興味を示した四方の誘いから始まり、チャー会、桃井の興行、とらのライバルののぶ子への嫉妬、スティーブンと龍治、とらの想いと決断等が描かれました。
この巻ではとらの龍治の音に対する、ひいては彼個人に対する想いが印象に残りました。
龍治のベースに魅かれ彼とセッションする時子に嫉妬したり、スティーブンと和解した龍治の腕から感じるリズムにときめいたり……。
龍治もとらとのセッションには同様の物を感じている様でした。
しかし、とらの才能に執着する四方の策略でバンドは桃井の興行では散々な結果だったり、龍治が脱退を宣言したりと暗雲が立ち込めているようです。
作中、とら達が奏でる音楽は日本人相手の桃井の興行では受け入れられず、それを受けて大人しくなった音楽は米兵の集まるグレートリバーでは不評でした。
なんというか、桃井の興行のシーンは新しい物を受け入れる素地というか、バックトゥザフューチャーでマーティーがJohnny B. Goodeを演奏したシーンを何となく思い出してしまいました。
まとめ
今回のラスト、自分がどうしようも無く龍治に魅かれている事に気付いたとらはある決断を下します。
ヤケクソ気味のその決断がどんな結果になるのか、次回も楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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