ヨシノズイカラ 3 ガンガンコミックス
著:ヨシノサツキ
出版社:スクエアエニックス
東京でのサイン会も無事終わり、島に戻った成彦は新たなキャラを漫画に登場させようとしていました。
彼が作ったキャラクター、それは鋭い目をした金髪の男。
所謂不良という奴でした。
登場人物
釘崎虎之介(くぎざき とらのすけ)
成彦の漫画「わっかもん」に登場する不良。
成彦の周囲、というか島に不良がいなかった為、どう描けばいいのか迷っている。
なつ子
成彦の妹
既婚者で成彦と同様、天然パーマな髪質。
蓮(れん)
なつ子の息子
小太りな小学一年生。
基本冷めているがゲームに興奮するなど子供らしい一面も見せる。
自分が中心にいないと暴れるかまってちゃん。
遠野もなか
茶白の子猫
親とはぐれ衰弱していた所を成彦に保護される。
可愛いがすぎる。
森
成彦の初代担当編集
成彦のデビューまでを厳しくも暖かく支えた。
あらすじ
新たに漫画に登場したキャラクター「釘崎虎之介」。
その存在が現在、成彦を悩ませていた。
というのも島には不良らしい不良はおらず、成彦にとってもとし坊にとっても未知の存在だったからだ。
そんな中、妹のなつ子が甥の蓮を預けに来た。
とし坊と二人、蓮の相手をしていたが余り受けは良くない。
とし坊に借りてきてもらったゲーム機も、最初は食いついたがとし坊の一人勝ち状態になると早々に興味を失ってしまった。
その後も彼のご機嫌を取りつつ遊んでいると、ひー兄ちゃんのファンであるひいろがゲーム機を返してもらいに訪れた。
ひいろの相手をする成彦たちに不満を持った蓮は、ムシするなと成彦を殴りながら駄々を捏ねる。
それを見たひいろは激高し蓮を叱りつけた。
遠野なるひこごときを相手にイキがってんじゃねぇぞ!!!
反撃してこねぇ奴しか殴れねぇクソガキが!!
甘えた拳は便所に捨てろ!!!!
分かったか!?
そう連に問うひいろに彼は小刻みに震えながら「はい」とか細く答えた。
感想
離島における漫画家の暮らしを描いたこの作品もこの巻で完結です。
恐らくですが、作者のヨシノサツキさんの経験がふんだんに活かされた作品だった様に思います。
この巻では停電によりパソコンが使用不能になるというお話も収録されました。
作画環境をデジタルで固めてしまうと、電気が止まった時何も出来なくなってしまう。
成彦程、危機的状況ではありませんが同様の状況に陥った事があります。
台所がIHな為、一切の調理が出来ずお湯を沸かす事も出来ない。
状況を知ろうにもテレビはつかずラジオも聞けない。
結局、スマホだけが唯一の情報源となった事がありました。
お風呂も電気給湯器だったので、結構辛かった覚えがあります。
現在の生活は電気ありきで成立してるなぁとしみじみ思ったものです。
まとめ
ばらかもんに引き続き離島での生活を描いた作品でした。
物語冒頭は離島で暮らす高校生の話という導入でしたので、はんだくんの離島版みたいな物を想像していましたが、いい意味で裏切られました。
現在、ヨシノさんは新作を準備している様ですので、そちらも楽しみです。
この作品はガンガンONLINEで一部無料で読む事が可能です。
ヨシノサツキさんの公式Twitterはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。