HANDS ハンズ 1 ヤングジャンプコミックス
著:中野ユウスケ
出版社:集英社
元警視庁捜査一課の刑事だった鮫島正春(さめじま まさはる)は妻子を亡くした事で刑事を辞め、無為な日々を過ごしていました。
ある時、高校時代からの友人、指原(さしはら)からの連絡でとあるマンションに呼び出されます。
其処にはかつて失った娘と同じ年頃の少女が待っていました。
登場人物
鮫島正春(さめじま まさはる)
元刑事
現在は職に就かず自分が手を放した事で妻子が死んだと、後悔に苛まれる日々を送っている。
元は犯人捜索に長けた非常に優秀な刑事だった。
現在もその手腕は衰えていない。
指原(さしはら)
鮫島の友人
高校時代からの鮫島の友人であり非常に人懐っこい性格の人物。
現在は厚労省に勤めている。
ユキ
指原が鮫島に託した少女
手を握ると握った相手が自在に操れる不可視の手を出現させる事が出来る。
手は物理的な力を有しており、コンクリートを破壊出来る程の力を行使できる。
ひらがなとカタカナは読めるが、数字及び漢字はまだ読めない。
北村(きたむら)
厚労省の役人
ユキを保護した鮫島の行方を追っている。
指原とも面識があったようだが、彼の事は馴れ馴れしいと嫌っていたようだ。
中村(なかむら)
防衛省の人間
特殊作戦群「n分隊」と呼ばれる裏の仕事に精通した部隊の隊長。
あらすじ
交通事故により妻子を失った元刑事の鮫島は、自分が娘の手を放してしまった事を事故の原因と考え、働く気力も無くし陰鬱とした日々を送っていた。
そんなある日、高校時代からの友人、厚労省に勤める指原から頼みたい事があるとマンションの一室に呼び出される。
向かった先、家具の少ない生活感の無いその部屋には指原の姿は無く、一人の少女が待っていた。
少女は「おじさんがハル?」と尋ねた。
ハルという仇名は指原が鮫島につけた物だ。
見知らぬ少女にそう呼ばれ、戸惑いつつも肯定する。
すると少女は持っていたスマホを鮫島に差し出した。
スマホには指原のボイスメッセージが残っており、それによれば目の前の少女「ユキ」を玉城という届けて欲しいという事だった。
一方的な頼みだったが親友の頼みであるし、ユキという幼い少女を一人放っておく訳にもいかない。
鮫島は状況に困惑しつつ、ユキに食事を取らせようとマンションから彼女を連れて街へ出た。
感想
作品はユキの持つ不思議な力をベースに、その力が原因で追われる事になる鮫島とユキの逃亡劇という形で進行していきます。
第一話ではパレード中の総理の首が飛ぶ等、かなりショッキングなシーンも描かれ、厚労省、防衛省も絡み国家レベルの陰謀に力が関わっている事が示唆されます。
また、ユキの力も彼女自身が使えるのではなく、手を握った対象がその力を行使出来るというワンクッション置いた物でした。
娘の手を放し、その事で妻子を失う事になった鮫島がユキの手を握る。
作品は陰謀を追うサスペンスでありながら、鮫島の心の再生を描いた物になるのかなと読んでいて感じました。
まとめ
超能力、主人公のトラウマ、庇護すべき少女、政府が関わった陰謀。
様々な要因が描かれながら鮫島とユキの逃亡は始まりました。
色々、謎は多いですが、兎にも角にも楽しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この作品はとなりのヤングジャンプで第一話が無料でお読み頂けます。