漫画

ダンジョン飯 第一巻 あらすじ・感想

投稿日:2019年1月19日 更新日:

茸
ダンジョン飯 1 BEAMCOMIX

作:久井諒子
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン

小さな村、地下墓地の底が抜け一人の男が現れたことから、この物語は始まった。
男は一千年前に滅びた、黄金の国の王を名乗り、その国は狂乱の魔術師によって囚われ続けている。
男は魔術師を倒したものに、我が国の全てを与えると言い残し塵となって消えた。
それから時が経ち、一組のパーティがドラゴンと戦っていた。

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第1話 水炊き

あらすじ
パーティのリーダーだろうかトールマンの男がパーティを鼓舞する。
男は思う、準備は万全負ける要素などない。いや腹が減った。
彼らは罠にかかり食料を失っていた。
空腹は動きや判断力を鈍らせる。仲間の動きも精彩を欠いていた。

男がドラゴンを倒したら、一度街に戻ろうと考えていた時、彼の妹が男を突き飛ばした。
倒れこみ何事か驚く男の目の前で、妹はドラゴンの牙に捉えられる。
気が付けば仲間は皆倒れていた。
全滅。男の心にそんな言葉が浮かぶ。

倒れた男が見上げた先、ドラゴンに咥えられた、妹の手に握られた杖が光を放った。

草原で目覚めた男を、パーティメンバーのエルフの女性、マルシルが呼ぶ。
「ライオス、目が覚めた?」
彼女の話では、魔法で脱出したようだが、彼の妹、ファリンの姿だけが見えないらしい。
ライオスは、ドラゴンに食われたため、魔法の効果が及ばなかったとマルシルに話した。

助けに行こうとするライオスを、彼女は制止した。
どうやら荷物の殆どを迷宮に置いて来てしまったようだ。
更に二人の仲間がパーティを抜けたことを、ハーフフットのチルチャックが告げた。

迷宮に潜るのは遊びでやっている訳ではない。
それぞれ目的があり、利害関係が一致しているからパーティを組んでいる。
生活を犠牲にしてまで、一緒にいる理由はない。

迷宮探索には金がかかる。仲間の雇用、装備品、日用品、食費。
ライオスは現在持っている物を売り、安価な装備に変えて仲間を募ってと考えるが、それでも費用の捻出は難しそうだ。
迷宮にいる間は、蘇生が可能なはずだが、食われて消化されたものが果たして蘇生できるのか。

ファリンが完全に消化される前に助けなければ、難しいだろう。
話していて空腹覚えたマルシルが食事を取ろうと提案する。
しかしライオスはすぐ迷宮に潜らないとと頑なに言った。
彼は、二人の装備を売って準備を整え、自分一人で潜れば装備の質を落とすことなく、探索可能だと二人に告げた。

ライオスの提案に、二人は反対し自分たちもついていくと彼に言った。
それを聞いたライオスは、本当についてくるんだな。
どんなことがあってもと、鋭い目つきで二人の意思を確認した。

迷宮の入り口でライオスは二人に、食料は迷宮内で自給自足すると宣言した。
戸惑う二人に彼は迷宮内にも食物連鎖が存在するはずで、人間も食料を得る事が出来るはずと二人に語った。
無理だと言うマルシルに、彼は魔物を狩って食い扶持にしている人間も割といると反論した。

マルシルは、それは犯罪者だし、彼らも食中毒でしょっちゅう搬送されていると食い下がったが、ライオスは他に手はないと譲らない。
話し合いを続ける彼らの前を、瀕死の冒険者が駆け抜けた。
その後ろを足の生えたキノコが追いかけている。

ライオスはそのキノコを一刀両断した。
彼は倒したキノコを持ち、これを昼食にすると宣言した。
嫌がるマルシルを脇に見ながら、チルチャックがいきなりは危なくないかとライオスに問う。
彼は一冊の本を懐から取り出し、チルチャック渡した。

迷宮グルメガイド、年季が入り、びっしりと書き込みされたその本によると、キノコは肉厚でくせの無い味わいらしい。
更に大サソリの足音を聞きつけたライオスは、嬉々として大サソリを狩る。

鮮やかにサソリをしとめたライオスに、チルチャックは前から食べる機会をうかがっていただろうと聞いた。
それに頬を赤らめたライオスは、妹を助けたい気持ちに偽りはないが、魔物が好きでそれが高じて、味も確認したくなったと語った。

冒険者が集まる、初心者の広場でライオスたちは料理を開始した。
料理の心得のない、彼らはとりあえず素材を煮てみることにした。
ゆであがったサソリの尾を口にしたライオスは、まずくて吐き出してしまった。
そこに一人のドワーフが現れる。
彼はライオスに変わり、鮮やかな手つきで魔物を調理していく。

会話の途中、スライムに襲われたマルシルを、ドワーフはナイフ一本で救い出した。
ナイフで撃退したことを、感心するライオスに彼はスライムの体の構造を話した。
更にスライムは処理をして天日干しにすれば、高級食材になるという。

ドワーフは持参していた、干しスライムも鍋に加え、大サソリと歩き茸の水炊きを完成させた。
ライオスは大サソリを椀にとり、口に運んだ。
驚くほどうまい。調理方法によってこれほど味が変わるとは衝撃だった。

魔物を食べることを忌避して、離れていたマルシルも空腹には勝てず、よそわれたスライムの内臓の干物を恐る恐る口に運んだ。
彼女は美味しさに驚いた。
その後、鍋はあっという間に空になった。

人心地ついた一行は、自己紹介もまだだったことに気付き、お互い名乗り合った。
ドワーフはセンシと名乗った。ドワーフ語で探究者という意味らしい。
ライオスたちは探索の目的を語り、センシは彼らの目的がレッドドラゴンだと知ると、同行を願い出た。
センシの調理の腕と知識を頼もしく感じた一行は、こちらこそとパーティを組んだ。

彼はかねてより、ドラゴンを調理したいと考えていた。
果たして、ファリンを食ったドラゴンを食べていいものか。
倫理的な疑問は残るが、ファリンを救うためドラゴンを求める一行の冒険は始まった。

感想

最近は水や空腹度をパラメーターとして表示する物も増えてきましたが、初期のゲーム、ウィザードリィなどはそんな描写は一切なく、パンや干し肉を革の水袋の水で流し込んでいるんだろうな等と想像していました。
ダンジョンでの食、それがピックアップされたゲームとしてはダンジョンマスターが有名ではないでしょうか。
友人がプレイしているのを見てドラゴンステーキ美味そうと思った事も懐かしい思い出です。

ただ貴重なたんぱく源だとしても丸虫の肉は食べたくありません。

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