アルテ 5 ゼノンコミックス
著:大久保圭
出版社:徳間書店
貴族の娘アルテが画家であるレオの弟子として画家を目指す物語。
ヴェネツィアの名門貴族、ユーリ・ファリエルの依頼を受け、水の都ヴェネツィアを訪れたアルテ。
この街で彼女の新たな生活が始まります。
冒頭あらすじ
ヴェネツィアでのアルテの仕事は肖像画制作とユーリの姪、カタリーナの礼儀作法の家庭教師というものであった。
ユーリの話では、もう何人も家庭教師は辞めており、それも解雇したのではなく、すべてカタリーナの行動に手を焼き自ら職を辞したようだ。
アルテはユーリの兄の館で、彼の義姉ソフィアとその娘カタリーナに対面する。
カタリーナは母の前では大人しく人見知りな様子だったが、いざ二人きりになるとアルテを放置し昼寝を初めてしまった。
その後、晩餐の席ではアルテはユーリの家で詰め込んだ礼儀作法のお蔭で何とか体面を保てた。
カタリーナのを見ると、フォークを使わず手づかみでパスタを食べている。
作法の教育を彼女の父、マルタからも改めて頼まれたアルテは、翌日彼女に礼儀作法を一通りやってみようと促す。
するとカテリーナは全てを完璧にこなした。
彼女は両親の前では出来ないふりをしていたのだ。
カテリーナからは教わることは何もないと言われ、アルテはどうするべきか悩む。
自分についてくれた使用人、ダフネに話を聞くと不真面目なのは礼儀作法の家庭教師に対してだけらしい。
フィレンツェとヴェネツィアでは空気が違うと感じてしまうアルテ。
翌日、彼女の案内で気分転換に教会に出かけたアルテは、教会でのスケッチの最中、地元の画家工房の徒弟が女で画家をやっている事を馬鹿にし立ち去る。
徒弟の暴言にダフネが駆け付けるとアルテは腹を抱えて大笑いした。
たじろぐダフネにアルテはどこに行っても変わらない。
フィレンツェもヴェネツィアも同じものはある、自分も変わらないと語った。
今まで通りの自分で頑張るしかないと彼女は笑顔で言った。
感想
今回はカテリーナが料理好きということで多くの料理が登場します。
貴族向けの工程数の多い料理より、焼いただけの豚のローストの方が美味しいというのは意外な気がしましたが、カタリーナが作中で言うように、茹でて煮て焼いて等していれば食材の旨味は全て抜けてしまうというのも頷けます。
料理をしているカタリーナはとても子供らしく笑い、それだけに両親の前で見せる感情のこもらない顔が気になりました。
まとめ
フィレンツェとヴェネツィアの違いに戸惑うアルテでしたが、教会での出来事で彼女らしい真っすぐさでカタリーナとも向き合っていきます。
カタリーナの抱える想いについては、次巻で明らかになります。
お読みいただき、ありがとうございました。