アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり 7 ゼノンコミックス
著:荒井ママレ
医療原案:富野浩充
出版社:コアコミックス
元薬剤師のママ友川瀬(かわせ)の影響で投薬やワクチンに対して否定的な認識を植え付けられた女性、芳村(よしむら)。
その芳村の娘ひなに水疱瘡の疑いが出た事で、小児科医の久保山(くぼやま)は検査と並行して投薬を行う事を決めた。
芳村はその久保山の言葉で、投薬を拒否する事が他の患者にも悪影響を与える事だと改めて気付いた。
また芳村の一件で葵は基礎知識だけでは足りないと痛感、小児科医の久保山に薬剤師勉強会の講師を頼むのだった。
登場人物
槙本(まきもと)
小野塚(おのづか)の同僚
黒髪セミロングの女性。
24時間営業のドラッグストア「ナカノドラッグ」の薬剤師。
明るく押しが強い。
芳村(よしむら)夫
水疱瘡の疑いで入院する事になったひなの父親
痩せ型の男性。
仕事が忙しく妻に娘の世話をまかせっきりになっていた。
ひな
芳村夫婦の娘
幼稚園児。
素直で可愛い。
エリアマネージャー
ナカノドラッグのエリアマネージャー
眼鏡の中年男性。
客の健康よりも売上重視。
嫌い。
織部侑斗(おりべ ゆうと)
19歳の予備校生
黒髪の青年
受験勉強の為、精力剤代わりに依存が生じやすい市販の風邪薬「ジヒドン」を服用している。
陣(じん)
葵の先輩、瀬野の教育係だった薬剤師
黒髪天パで小太り眼鏡な男性。
患者に直接話を聞いたり、薬の処方を巡り医師とぶつかったりする事もしばしば。
製薬会社が持ち込んだ肺がん専用の抗がん剤「イレッサ」について疑問を投げかける。
あらすじ
久保山を講師にした薬剤師の勉強会。
その勉強会に参加した小野塚と彼の同僚、槙本から葵は一般向けの予防接種勉強会の開催を打診される。
投薬を拒否し自然な状態で生きようという主張。
その為に語られる陰謀論や間違った知識。
槙本はそんなワクチン接種に付きまとうイメージの払しょくと、ワクチンの正確な情報、人々が不安を持っている事を直接薬剤師に聞いて欲しいと小野寺と二人考えたようだ。
その勉強会で得たデータをもとに秋の学術大会で発表しよう。
そう言った槙本に若干気後れしながらも、葵も勉強会の開催に賛成した。
一方、検査の結果、ひなが水疱瘡では無かったと分かり、ホッと一息ついた芳村は夫の勧めもあり一旦帰宅し、風呂に入る事にした。
バナナを食べて機嫌を直したという夫からのラインに微笑みながら、ママ友グループに水疱瘡が陰性だった事を投稿する。
ママ友からの反応は検査の必要性に対する疑問や点滴や投薬へ否定だった。
そんなコメントを見た芳村の脳裏には丁寧な対応を続けてくれた葵達の姿が浮かんでいた。
感想
今回は前巻から引き続き投薬を拒否する芳村一家のお話から始まり、ワクチンの効果と副反応、ドラッグストアと風邪薬、瀬野の教育係等が描かれました。
その中でも今回はやはりワクチンの話が印象に残りました。
ワクチンを打つ打たないは個人の自由ではあるのでしょうが、それによって罹患すればその人が苦しむだけでなく、病気の種類によってはその人自身が感染源となってその病を広げる事にもつながります。
副反応によって苦しむ事もありますが、打つ事で罹患や重篤化が防げるならやはりワクチン接種は重要な手段の一つだと今回のエピソードを読んでいて感じました。
まとめ
今回のワクチンのお話では川瀬について謎を残したまま終わりました。
彼女が何故、薬剤師という過去を持ちながら投薬に否定的なのか。
今後、その辺りも描かれるのでしょうか。
その部分も含め、次巻も楽しみです。
この作品はゼノン編集部で第一話が無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。