魔導の系譜 コミカライズ版 4 BLADEコミックス
漫画:イヌヅカヒロ
原作:佐藤さくら
出版社:マッグガーデン
小説「真理の織り手」シリーズのコミカライズ版
北部の鉱山の街「カンデンツァ」がラバルタに対し侵攻を始めた。
国はカンデンツァの侵攻に関与した者を反乱軍とみなし鎮圧に乗り出す。ゼクスが所属する鉄の砦の魔導士達にも前線へ向かい戦う事が決定し……。
登場人物
エドガー・アラセン
カンデンツァ反乱軍リーダー
丸眼鏡の穏やかな男性。
国による搾取に反発しカンデンツァの自治独立を目指している。
あらすじ
前線に向かったゼクスの所属する七十五小隊。
その前線の拠点であるマーハ要塞には、主力である騎士の他、ギルドの魔術師も兵として集められている様だった。
初戦、先鋒は鉄の砦の三個中隊に任された。
マーハ要塞に集められた騎士達は要塞の防衛に当たり、結論からいえば魔導士は捨て駒にされた形だ。
そして翌日、戦闘は開始された。
投石器の砲撃で仲間が潰され死んでいく中、ゼクスは荒野を駆け抜けカンデンツァが築いた防壁の側まで辿り着く。
その行軍の道中で、仲間の死によって戦意を喪失する者も出る悲惨な状況の中、小隊長のエヴァンはゼクスに防壁の門の破壊を命じた。
ゼクスはその命令を受け、門の破壊に赴く。
ここは戦場、戦果を上げれば誰にも文句を言わせず、自分の力を認めさせる事が出来る。
自分が認められれば、自分の師であるレオンも評価されるだろう。
ゼクスが放った術は一撃で門を破壊。その力は敵味方共に衝撃を与えた。
エヴァンはこれで士気も戻ると、前進を告げるが伝令に駆け付けた班長のリジットが撤退の命令を伝える。
エヴァンもゼクスも彼女の言葉が信じられなかった。
一体何故? その疑問の答えはギルドの魔導士の裏切りによるマーハ要塞の陥落だった。
感想
今回は冒頭、前線での戦闘から始まり、要塞陥落、状況の見えない状態での待機、中隊内で募る不安と鬱憤、鉄の砦総帥、ランバートの処刑、アスターの決意、魔導士反乱軍へ、レオン戦場へ等が描かれました。
この巻ではアスターのランバートの思い出が印象に残りました。
第三王子として生まれながら、導脈をもって生まれた事で一生小さな部屋で暮らす事を受け入れていたアスター。
そんな彼にランバートは言います。
それは己が己である義務の放棄だと。
導脈を持って生まれた意味、魔導士は導脈を通して世界と繋がり、数ある中から最善の道を選び取る、真理を探究する役目を担う者。
それは私であり君でもある。
ランバートは役目に向き合わず部屋に籠り、一生過ごすのかとアスターに問い掛けました。
「どれだけ虐げられ、踏みにじられようとも己が己である為に戦うべきだ」
その言葉は王である父や母親に存在を疎まれた彼にとって、生きる指針、導脈を含めた自分本来の姿で生きていていいという、許しになったのでは無いでしょうか。
読んでいてそんな事を思いました。
まとめ
今回は魔導士やセルディア人を虐げる国、ラバルタに対しアスターたちは反旗を翻し、カンデンツァと手を組む事になりました。
彼らの反乱がどのような結末を迎えるのか。次も読むのが楽しみです。
この作品はMAGCOMIにて一部無料でお読み頂けます。
漫画担当のイヌヅカヒロさんのアカウントはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。