狼の子ソラは戦場にいる 2 バンチコミックス
著:酉村
出版社:新潮社
人間の国、ブレスト帝国と魔族の国、レント王国。
そのブレスト帝国の皇女の死から始まった人間と魔族の終わりの無い戦争、その最前線で戦う獣人部隊と部隊隊長に拾われた人間の子ソラの物語、その完結巻。
登場人物
ティガー少将
帝国軍ミサゴ部隊指揮官
黒髪の青年。
味方を巻き込んだ非道な作戦を行う。
魔族に強い憎しみを持ち、作戦にソラを利用する事を思いつく。
カレヌ少尉
ティガーの副官
訓練所を出て赴任したばかりの女性士官。
ティガーが立案した非道な作戦に良心を痛めている。
ダルム大佐
ディルの所属するクロス中隊隊長
虎の獣人。
上からの命令に不満を抱きつつも、ディルたちを戦場へ送り出す。
ソプトル准将
情報部のキャリア士官
奇妙なゴーグル付け長い耳を持つ悪魔族の女性。
敵に捕らえられたオーガ種の御曹司を救助する為、ディルたちを死地へと送り込む。
ドラグノフ中佐
帝国の捕虜となったオーガの青年
ティガーの指示により薬漬けとなっている。
あらすじ
狼の兵士、ディルの所属するクロス中隊に、新兵器を帝国が島に持ち込んでいるという情報がもたらされる。
次の任務はその巨大兵器の運用の為、帝国は北側の平地に基地を建設しているらしい。
では我々も北の平地に?
そう聞いた第二小隊隊長に隊長のダルム大佐は首を振った。
クロス中隊は西の捕虜収容所に向かうという。
小隊長はただでさえ難しい捕虜奪還作戦を一個中隊で!?と声を荒げ憤る。
しかし捕らえられた捕虜は魔族でも強い発言権を持つオーガ族の御曹司だった。
その事を中隊指揮所に現れた情報局のソプトル准将から聞かされ、更にプレッシャーを掛けられたクロス中隊は、作戦に異議を唱える事も出来ず奪還作戦に向け動き出すのだった。
感想
今回は奪還作戦を中心に帝国側に捕縛されたソラ、帝国側のティガー少将の過去、情報局のソプトル准将の目論見等を盛り込みつつ、ソラとディルの親子の絆が描かれました。
戦争は嫌いですが、エンターテイメントとして戦場を舞台に紡がれるドラマはとても好きなので読んでいてとても楽しかったです。
ですので二巻で完結というのは正直物足りなさを感じました。
ディルたちが行う作戦についても、レティクルによる超長距離の射撃とか、物資調達とか、拠点防衛とか、他の中隊との連携作戦とか、色々あったんじゃないかと……。
作品自体は駆け足でしたがきちんと完結しているのでそこに不満は無いのですが、重ね重ねもう少し読んでいたかったです。
まとめ
このブログでも何度か書いていますが、面白くても売れなければ作品は終わってしまいます。
なので、好きな作品は出来る範囲でいいのでどうか応援して欲しいです。
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