ノケモノたちの夜 2 少年サンデーコミックス
著:星野真
出版社:小学館
大悪魔マルバスと共に生きる事を選択し、その代償として視力を失った少女ウィステリア。
安住の地を求め今日も二人の旅は続きます。
登場人物
レディ・ダイアナ・ブラックベル
伯爵ブラックベル家の令嬢
黒髪の気さくな女性。
大悪魔ナベリウスと契約しているようだ。
ナベリウス
崩国の十三災と呼ばれる大悪魔の一柱
狼の頭に短い角の生えた悪魔。
言動、ファッションともにヤンキー的なスタイル。
タケナミ(武波)
剣十字騎士団の団員
日本出身でウィステリアの兄スノウの上司。
使用武器は日本刀。
彼の武器は教会の加護を受けている訳では無く、ごく普通の刀のようだ。
ハリエット・カーター
ウォリントン近郊、マージ川沿いの街で暮らす少女
スリで生計を立てる孤児。
モーリー
最下級の悪魔
ハリエットの仕事を手伝う事を条件に、魂譲渡の契約を交わす。
ローブを着た黒い子猫の姿。
ケイト
剣十字騎士団団員
ショットガンを武器に戦う中年女性。
本人曰く騎士団の仕事はパートらしい。
あらすじ
ロンドンを離れ北に向かい旅をするウィステリアとマルバス。
子供の頃生き別れになったウィステリアの兄スノウと再会するも、彼は悪魔を狩る事を目的で結成された剣十字騎士団に所属していた。
マルバスからウィステリアを引き離そうするスノウをウィステリアは説得し、スノウは渋々ながらも二人が一緒にいる事を認めた。
その後、列車の旅を経て辿り着いた街でウィステリアは自分の着ている服の事に今更ながらに気付く。
マルバスに悪魔を見る事の出来る瞳を契約の代償に捧げた彼女は、視力を失い生活の殆どをマルバスに依存していた。
つまり、服も下着も用意しているのはマルバスという事だ。
今更ながらその事に恥ずかしさを覚えたウィステリアは、自分で服を購入するとマルバスを押し切ると、彼を店外に残し一人で店に歩を進めた。
勢いで店に入ったものの目の見えないウィステリアには、店内の様子も服の色も分からない。
そんな彼女は客の一人とぶつかってしまう。
更にその客の連れの男が言うには、店は彼らが貸し切っているらしい。
歯に衣を着せぬ言いようのその男を制したのは客の女性だった。
彼女は男の非礼を詫び、ウィステリアに名を名乗る。
女性の名はダイアナ。
伯爵家であるブラックベル家の令嬢だった。
感想
今巻では悪魔とイギリスの退魔組織、剣十字騎士団の力関係について明らかにされました。
それによると信じる者の少なくなった悪魔の力は減退し、逆に人間は着実にその数を増やし力を増しています。
その力はマルバスと同じ崩国の十三災と呼ばれる大悪魔を狩るほどに強くなっている様です。
騎士団が悪魔を殺す理由。
騎士団の一人、タカナミの言によれば対価次第でどんな願いも叶える事が出来る、その危険性を考えた上での事でした。
確かに魂、つまり命を差し出せば、国であっても破壊出来る存在を放置しておくのは危険だと考えるのも理解できます。
お話は勿論フィクションではありますが、仮に自分の命と引き換えに誰かを殺害出来るのであれば、契約する人も出て来る様な気がします。
それが正義の為と言われれば、喜んで命を捨てる人も実際に存在しているのですから……。
まとめ
マルバスと同等の力をもった悪魔の存在も明かされました。
次巻ではその一柱に二人は会いに行くようです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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