SAND LAND サンドランド ジャンプコミックス
著:鳥山明
出版社:集英社
人間の愚かな行動と、天変地異により小さな砂漠が世界の全てとなります。
ですが人類はそれでも戦争を止めず戦いを続けていました。
やがてそれも治まり命の源とも呼べる川が干上がった所からこの物語は始まります。
あらすじ
砂漠を走るトラックを人間では無い者達が襲う。
彼らは所謂魔物と呼ばれる者達だ。
魔物達は政府のトラックから水を奪い、護衛を物ともせず殺す事無く引き上げた。
魔物であっても水は必要だ。
今、水は人間の王が牛耳り人々には法外な価格で販売し私腹を肥やしていた。
魔物の中のリーダー格の少年は魔王の息子。
悪魔の王子ベルゼブブ。
彼は悪魔だが現在の状況を面白くないと思っていた。
砂漠の川が干上がり元気を失くした人間等、虐めても面白くもなんともない。
それに王から水源を奪っても人間が死滅すれば暇でしょうがなくなる。
元気で生意気な人間を虐めるから面白いのだ。
そう仲間の前では嘯くベルゼブブだが、今日も奪った水を見て喉を鳴らした子供に水を分けてしまった。
悪魔の王子とは思えぬ所業だ。
そんな彼らが暮らす魔物の城に一人の人間の老人が訪ねてくる。
魔王サタンの代理として話を聞く事にしたベルゼブブに、保安官のラオと名乗った老人は「幻の泉」を探す旅を手伝って欲しいと言った。
泉の存在を疑うベルゼブブにラオはウォーターフィンチという水場で暮らす鳥の話をする。
その鳥は淡水の水に住む小魚を餌とし繁殖期には砂漠の北、岩の巣へ向かうという。
ラオは生きる為に水場が必須なその鳥が、不毛の地とされている砂漠の南から飛んで来たのを何年も見ていると言った。
水に窮しているのは人間だけではない。
城の奥で話を聞いていたサタンはベルゼブブにラオに協力し泉を見つけるよう命じた。
父であり王であるサタンの命には逆らえず、ベルゼブブは渋りながらも魔物の老人シーフを連れラオと共に「幻の泉」探索の旅に出た。
感想
鳥山明さんが描く老人と戦車そして魔物たちの物語。
一瞬で引き込まれ読み終えた後なんとも言えない清々しさが残る作品でした。
鳥山先生自身が大好きな老人と戦車の話という事で、独特にデフォルメされていながらもリアルさを感じる描写がそこかしこに在り、読んでいて楽しくて仕方ありませんでした。
まとめ
面白い。この一言に尽きる作品でした。
難しいでしょうがもう一度漫画を描いてくれないかなと思ってしまいます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。