漫画編集者が会社を辞めて田舎暮らしをしたら異世界だった件 1 イブニングKC
原作:クマガエ
漫画:宮澤ひしを
出版社:講談社
漫画誌の編集者だった佐熊陽平は入社以来、ずっと担当していた漫画誌が休刊となり漫画編集としてのモチベーションを失っていました。
次の担当も経験を買われ漫画誌となった陽平でしたが、彼にはもう漫画に関わる気力は残っていませんでした。
登場人物
佐熊陽平(さくま ようへい)
漫画雑誌編集者
黒髪眼鏡の男性。
入社して十三年間、ずっと担当していた漫画誌「月刊少年ダイハード」が休刊し仕事への意欲を失う。
そんな時、検索で目にした田舎暮らしに憧れを持つ。
佐熊ミユ(さくま みゆ)
陽平の妻
黒髪ショートの女性
コスプレイヤーとして即売会、SNS等でニッチな人気を得ている。
日向千佳(ひなた ちか)
貸し田んぼスタッフ
ユルフワショートの女性。
ド素人だった陽平に米作りのいろはを教える。
スタッフとして働く傍ら、お菓子屋としてお菓子をイベント等で販売している。
押井敏史(おしい としふみ)
陽平の同期
ヒット連発のスター編集者。
会社を辞め田舎で暮らすという陽平を友人として心配している。
杉浦紗季(すぎうら さき)
貸し田んぼスタッフ
ポニーテールの女性。
普段は事務作業を担当している。
掛け持ちでヨガインストラクターとしても活動している。
伊武(いぶ)
イブニング編集長
田舎暮らしに憧れを持ち、編集部を訪れた陽平から話を聞いた事で彼に連載を持ち掛ける。
あらすじ
雑誌の休刊が決まり燃え尽きた陽平。
そんな彼に上司が命じたのは新たな漫画誌の立ち上げと担当。
上司に漫画では無い部署への移動を控えめに願い出るも、会社の決定だから難しいと取り合ってもらえない。
だったら会社を辞める、尻すぼみになりながらもそう言った陽平に、上司はあと半年頑張ってみて判断しないかと結論を先送りにする様進めた。
彼自身、会社に身を置く事で現在の生活が成り立っている事は分かっていた。
更に彼は新婚であり自分一人の問題では無い。
だが彼の心はもう会社からは完全に離れ、頭の中には辞めたいという思いが強くなるばかりだった。
しかし辞めればいずれ貯金は尽きる、フリーランスでやる自信も無い。
かといって次の就職先のビジョンもある訳では無い。
どうしたらいいんだとGo○gle先生に頼ると、田舎で米作りをしている人の動画が目に入った。
「これでオラは餓死しません!!」
実る田んぼの真ん中でその青年はそう言って笑っていた。
そうか、自分で食べ物を作れたら少なくとも飢え死にはしないのか。
そんな想いを抱いた陽平は、数週間後、風の吹き抜ける水の張られた田んぼの前に立っていた。
感想
作品はタイトルが示す通り、漫画編集者が田舎に引っ越し米作りをするという内容です。
ただ、彼は農業の経験がある訳でもDIYを趣味にしている訳でも無い、ごく普通のサラリーマンでした。
そんな彼が田舎の空き家を借り、妻と二人、米を作りつつ生活を始める。
カバーで原作者のクマガエさんが書かれていたのですが、この作品は田舎暮らしを賛美する物では無く、苦労や不便さも描かれています。
そのクマガエさんのコメントの中にあった選択肢の話が凄く印象に残りました。
人は追い詰められると視野狭窄に陥り、どんどん暗い方向へ行ってしまう様に思います。
そんな時、別の道もあると思えるか思えないかは、その人の生死を別つ様に感じるからです。
冒頭の辛そうな陽平の姿からそんな事を思いました。
まとめ
次巻では米作りの大変さを陽平は経験する事になるようです。
彼がどんな風にそれを乗り越えるのか、読むのが今から楽しみです。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
原作者のクマガエさんのTwitterアカウントはこちら。
漫画担当の宮澤ひしをさんのTwitterアカウントはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。