アルテ 7 ゼノンコミックス
著:大久保圭
出版社:徳間書店
貴族の娘アルテが画家であるレオの弟子として画家を目指す物語。
カタリーナの抱えていた問題は解決し、彼女は前を向いて歩きだしました。
アルテは本来の仕事である肖像画の制作に乗り出します。
冒頭あらすじ
カタリーナは笑顔を見せるようになり、礼儀作法の出来ないフリもやめた。
そのことによって、アルテを対象とした賭けはダフネの一人勝ちとなった。
ダフネはある日、ユーリとソフィアが抱き合っている所を目撃してしまう。
ユーリもそれに気づいたようだがその時は何事も無かった。
ファリエル家では有能で物腰の柔らかいユーリは使用人たちにも人気があったが、ダフネは彼のことがあまり好きではなかった。
ユーリに呼び出されたダフネは、アルテを装飾品の工房に案内するよう指示される。
その際、ユーリから面と向かって君は私のことが嫌いだろうと指摘される。
滅相もないと通り一遍の答えを返すが、ユーリは彼女の事を調べており彼女を分析した結果を口にした。
続けて、ダフネがユーリに敵意を向けるのはダフネ自身の許せない部分とユーリが重なるからではないかと語る。
ダフネはユーリが、彼とソフィアの事を吹聴する事を危惧しているのだと考え、そんな事はしないと彼に告げた。
それから彼女は「あなたが“いい人”だなんて嘘っぱちですね」と言い残し、その場をあとにした。
感想
今回は、ファリエル家の使用人、ダフネのお話から始まります。
彼女は愛する男に裏切られ、子供とも引き離され、両親からも守り切れないと家を離れるよう言われた過去を持っています。
人に言われるがまま全てを失くした彼女は、自分で決めて辛くてもその道を歩いているアルテの姿と、何も決めなかった自分を重ねて変わろうと動き出します。
現代ならば男の都合で捨てられたダフネは守られるべき立場だと思うのですが、女性の発言力の弱い当時はそれも難しかったのでしょう。
まとめ
ダフネのエピソードの他、この巻では今までハンデだったアルテの出自や性別が、プラスとなって仕事を得ていると言われ、そのことにアルテは悩みます。
その悩みはカタリーナの言葉によってある結論に至ります。
次巻ではアルテはヴェネツィアで仕事を終え、レオ達の待つフィレンツェに戻ります。
お読みいただき、ありがとうございました。