赤ずきんの狼弟子 月への遺言 4
著:茂木清香
獣人、人間、狩人、三種の人が住む世界で、本来狩る側と狩られる側の二人が師弟になる物語。
この作品は同人誌として発表された物で、商業版の主人公ウルとマニが出会う前、ウルの毛皮の持ち主であった喧騒(スコル)という名の獣人のお話です。
登場人物
スコル/ウル
人狼族の少年
群れを離れ雷帝と呼ばれる狩人トールの弟子となる。
狩人には獣人の声が聞こえない為、スコルという名が分からず初めての狩りに成功したスコルにトールは光輝という意味のウルという名を送った。
ハティ
スコルの双子の弟
群れで落ちこぼれだったスコルとは違い、獣化も自在に出来る優等生。
トールの落とした雷を見て里を出たスコルと再会する。
トール
狩人
雷帝と呼ばれ雷を自在に操る凄腕の狩人。
スコルの魂の底にある強さを感じ取り、鍛えて強くなった彼と戦う為、スコルを弟子にする。
スコルの弱さが目の良さと体のバランスだと見抜き、彼に武器を使った戦いを提案する。
シフ
トールと仲のいい女性の狩人
幼く小さなスコルを気に入り、優しく接する。
彼女はかつて冬と呼ばれる者の手に掛かり一度、命を落としたようだ。
ヴォルグ
スコルの祖父
人狼族の長、群れを出たスコルを案じ彼の好きだったスープを作り続けている。
ヘリアン
スコルが森で出会った人間
黒髪の青年。
賊に襲われていた彼をスコルは助け、友人関係を結ぶ。
ソール
スコルとハティの幼馴染
マニによく似た人狼族の少女。
群れを飛び出したスコルの身を案じ、帰って来ないのではと泣いている。
冒頭あらすじ
人狼の群れを飛び出したスコルを見つけたハティ。
彼は再開したスコルにいきなり飛びかかって来た。
優秀な弟との実力の差は歴然でスコルは地面に押し倒された。
いきなりの暴力にスコルが憤るとハティは彼に怒りの目を向けた。
ハティは突然いなくなったスコルに強い怒りを抱いていた。
どれだけ心配したと思っている。
ハティはスコルが消えてから、もう死んでいるかもしれないという不安を抱きながら、毎日彼を探し続けていたのだ。
そんなハティに謝罪しつつ、スコルは少し外を見ようとと言葉を続けた。
そのスコルの言葉にハティは冷たく彼を睨みながら言う。
兄さんは子供だ。
子供は外に出てはいけない掟の筈、なぜ外に出たのか?
人狼族では獣化出来ない者は一人前とは認められない。
外へ出る事が許されるのは狩りと獣化が出来る大人だけなのだ。
そう言ったハティにスコルは哀しそうに瞳を伏せ謝罪した。
素直に頭を下げたスコルにハティも少しバツが悪そうに言い過ぎたと謝り、みんなの所へ帰ろうと手を差し出す。
だが差し出されたハティの手をスコルは取らず、おれは群れには帰らないと真っすぐにハティの目を見て告げた。
感想
今回はスコルとハティの再会、トールとシフ、二人を深く傷付けた冬を名乗る者、スコルと友人となったヘリアン、そのヘリアンとの出会いで覚醒した弓を使った戦いを覚えたスコル、そして迫る冬の気配等が描かれました。
まだ商業版との繋がりは朧気ですが、狩人ウルの武器が弓である事等、繋がりが見えてきた様に感じました。
また今回の冒頭、ウルとマニの様子がカラーで収録されていました。
久々に二人を見ましたが、やっぱりマニは最高に可愛かったです。
まとめ
物語に大きな影響を及ぼすと思われるヘリアンと冬(ヒューマニティ)と呼ばれる人物。
彼らの行いが何をもたらし、どうウルとマニの物語に繋がるのか、次も楽しみです。
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作品はBOOTHのもぎ屋及びメロンブックスのもぎ屋からご購入いただけます。
こちらは同人誌ですので、在庫切れの場合は再販をお待ち下さい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。