転がる姉弟(きょうだい) 4 ヒーローズコミックス ふらっと
著:森つぶみ
出版社:小学館クリエイティブ
父の再婚によって新たな母親ミツコと彼女の連れ子、光志郎(こうしろう)と暮らす事になった高校生の宇佐美ミナト(うさみ みなと)。
その明るくヤンチャな光志郎との日々を描いた作品。
登場人物
加代子(かよこ)
ミナト達が旅行先のラベンダー畑で出会った上品な雰囲気の老婦人
亡き夫との思い出の場所を旅し、その写真をSNSに上げている。
フォロワーは70万越え。
斎藤大河(さいとう たいが)
光志郎の友人、ロボ(斎藤維一(さいとう いいち))の兄
金髪の14歳。
光志郎を様子のおかしいおっさんから助ける。
反抗期の影響か荒れているが、根は優しいようだ。
水町父
光志郎の友人、水町の父親
けつ顎マッチョな男。
バーベキューではなすびが好き。
あらすじ
家族で旅行に出かけた宇佐美一家。
たどり着いた場所は高原にあるラベンダー畑。
ミナトや父の友彦(ともひこ)、母のミツコは満開のラベンダーに喜びの声を上げる。
しかし、花に興味のない光志郎は遊園地的なアトラクションが無い事に、きた意味ないぜえ~としゃがみ込む。
そんな光志郎に友彦は今度は遊園地に行こうと話し、ミツコはとなりのメロンファームの事を伝え、なんとか光志郎のテンションを上げようとしたのだった。
その様子をいつもの事と達観した目で見ていたミナトに、上品な老婦人が声をかける。
彼女はミナトにスマホを差し出し、写真を撮ってほしいと頼んだ。
快諾したミナトは、一人ラベンダー畑の前に立つ老婦人に違和感を覚える。
それを察した老婦人は笑いながら、一人旅だとミナトに告げた。
その日の帰り道、ミナトが老婦人に渡されたSNSのアカウントを見てみると、彼女は亡き夫との思い出の場所を巡っているのだと分かった。
ミナトのスマホで夫人に撮ってもらった家族の写真。
笑うミナト達とふてくされた顔の光志郎。
そんな写真を見て、ミナトは満足げな微笑みを浮かべた。
感想
今回は冒頭、ラベンダー畑への日帰り旅行から始まり、酔っ払いのおっさんに絡まれた光志郎とロボの兄、大河、小学校のお祭り、銭湯と光志郎たち、夏休みの始まりとドーナツなどが描かれました。
その中でも今回はロボの兄、大河のエピソードと夏休み前夜、ドーナツを買いに出かけた光志郎のお話が印象に残りました。
光志郎の友人、ロボの兄である大河はいわゆるヤンキー少年で、反抗期なのか父親とやりあい、いつもイライラしている様子でした。
そんな大河に助けられた光志郎は、お礼にお菓子(ミナトの物を拝借)を渡そうとロボの家を訪れるのですが、光志郎が差し出したグミキャンディを大河はいら立ちから「いらねぇんだよっ!!」と投げ捨てます。
光志郎はその投げ捨てられたグミに駆け寄り、拾い上げると、
「あっぶね~! グミでよかった~! ポッキーだったら折れてたぜえ~!」
と声を上げました。
雰囲気が悪くなり、そのまま逃げかえってもおかしくない場面。
光志郎の言葉は大河の心に少し変化をもたらし、その後、光志郎とロボは大河と共にゲームで遊びました。
三人でグミを食べながらボスに挑んでいるシーン。
普通に光志郎スゲーと思ってしまいました。
もう一つは夏休み前夜、ドーナツのCMを見て車で買いに出かけた光志郎、ミナト、友彦たちのエピソード。
夏の夜、父の運転する車から見た夜景を思い出しました。
その後、ドーナツを買った光志郎は眠ってしまい、友彦とミツコが再婚していない夢を見ます。
その夢の中でしょんぼりとした様子の光志郎。
再婚し、宇佐美家で暮らし始めた頃は元の家に帰りたいと泣いていた光志郎ですが、今はもう彼の家は宇佐美家で、友彦とミナトは家族なんだなと感じました。
まとめ
今回もどのエピソードも楽しく、なんというか暖かい気持ちになれました。
次回は夏休み本番。どんなお話になるのか、読むのが楽しみです。
こちらは公式サイトコミプレにて一部無料で閲覧いただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。