ゴールデン・ガイ 3 ニチブンコミックス
著:渡辺潤
出版社:日本文芸社
埋蔵金が眠るとされる大仏組(おさらぎぐみ)の権利を組織幹部の芹沢(せりざわ)を介し、上部組織亀鶴一家(きかくいっか)に譲渡した凱(がい)。
これで一息吐けると思った矢先、情報リークの責任を感じた大仏組の若頭の実徳(みのり)は単独で茜(あかね)に接触し、先代組長の娘であり恋人でもある満里奈(まりな)も茜組若頭である悠真(ゆうま)に拉致されてしまいました。
登場人物
真田仁(さなだ じん)
芹沢組若頭
短髪で左の眉尻に刀傷の男。
暴走した黒塚に組長である芹沢を拉致され、凱に助けを乞う。
ジュリ
No.1キャバ嬢
亀鶴一家会長の瀬下が入れ込んでいるキャバ嬢。
瀬下はジュリの為ならサンタコスも厭わない。
あらすじ
自身の復讐の為、埋蔵金の噂を利用し絵図を描いていた悠真。
その悠真と満里奈を取り返すべく対決した凱は、満里奈が作った隙を生かし何とか悠真に銃弾を浴びせる事が出来た。
その凱の銃弾を浴びた悠真だったが、彼が懐に入れていた母親から貰った小判が悠真の命を救う事となった。
凱の撃った弾が当たったのは肩と脇腹、これなら助かると悠真を病院へ運ぼうとした凱だったが、傷を負った悠真の腹に更に銃弾が撃ち込まれる。
顔を上げた凱が見たのは茜のヒットマンとして動いている黒塚だった。
黒塚は茜の指示に従いながらも、茜が何を狙っているのか探っていた。
その答えが凱達にあると踏み、彼は三人に銃を向け秘密を喋る様促した。
そんな中、瀕死の悠真はテーブルの下に薬師寺の銃が転がっているのを見つける。
彼の動きで満里奈もそれに気付いた。
このままでは三人とも黒塚に殺されてしまう。
それを感じ取った満里奈は黒塚の注意を引く為、埋蔵金だと黒塚に話すのだった。
感想
今回は黒塚による凱達の襲撃から始まり、暴走した黒塚の幹部殺害等、ほぼ彼の独壇場な様子が描かれました。
彼はクスリを決めたイカれた殺人者として描かれていますが、その暴力の根底は汚い仕事を指示し黒塚に苦役を強いたのに、何も与えない上層部に対する不満でした。
次々と人を殺し民間人を巻き込み警察官も殺害した彼を擁護すべき点はありませんが、その行動理由は理解出来る部分もあります。
上の為に邪魔者を消し、その罪で服役までした黒塚。
彼はもっと報われたかったのでしょう。
そう考えると彼も、ヤクザという組織の中で使い潰された被害者の一人なのかもしれません。
まとめ
今回はほぼ一冊、黒塚のオジキ祭りでした。
幹部も含め欠けていく亀鶴一家。
悠真が去り、暴走した黒塚も恐らく終わると思われる中、残った茜が何を狙っているのか……先が気になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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