薫る花は凛と咲く 6 講談社コミックス
著:三香見サカ
出版社:講談社
夏、浜辺で花火をした凛太郎(りんたろう)達。
その花火の最中、薫子(かおるこ)と二人っきりになってしまった凛太郎は溢れる想いが抑えられず、思わず「好きです」と告げてしまう。
その事でギクシャクしてしまった凛太郎と薫子だったが、凛太郎は彼女にきちんと想いを伝え直そうと薫子を夏祭りに誘い……。
あらすじ
きちんと気持ちを伝える。
そう決意して薫子を呼び出した凛太郎だったが、いざ浴衣を着た彼女を前にすると言葉が上手く出てこなかった。
そんな凛太郎に薫子はおなか空いてないと問いかける。
薫子の言葉に一瞬、ポカンとした凛太郎だったが、屋台で薫子はりんご飴を、凛太郎はいちご飴を買い通りを歩いた。
気を使わせてしまった。
緊張していた凛太郎を見て、薫子は雰囲気を変えようとしてくれたようだ。
そんな彼女の気遣いに情けねーと凹みつつ、二人は出店を見て回る。
その後、薫子のほっぺについたりんご飴のかけらをきっかけに、凛太郎の緊張も解けた。
かき氷で頭痛を起こし、射的ではぬいぐるみを取った。
一通り、祭りを楽しんだあと、凛太郎たちは一休みしようと祭りの賑わいから少し離れたベンチに腰を下ろした。
いったん落ち着いた凛太郎は薫子を呼び出した本来の目的を思い出す。
きちんと気持ちを伝えなければ……。
「……………………和栗さん」
「…………はい」
呼びかけた凛太郎に薫子はおもむろに顔を向け、やさしく微笑んだ。
「…………好きです」
これまでは、ただ薫子の笑顔がみれるだけで十分だと思っていた。
学校のことで迷惑をかけたくないと我慢をしていた。
だが、花火の時、薫子との時間が終わってしまう事が凛太郎にはとても寂しく思えた。
我儘で欲張りなこと言っていると凛太郎自身自覚していた。
しかし、付き合うということが勇気や元気をくれる大切な薫子と、たくさん一緒にいられるという事なら、自分はそうなりたい。
「和栗さんともっと一緒にいたい……俺と、付き合ってください」
ベンチに並んで座り、彼女の瞳を見つめながら凛太郎はそう告げた。
感想
今回は夏祭りでの凛太郎の告白から始まり、薫子と凛太郎の出会いと薫子の答え、告白後の凛太郎の喜びと不安、告白後、初めてのデートと友人たちへの報告、凛太郎の友人、夏沢朔(なつさわ さく)の誕生日などが描かれました。
今回はその中でも凛太郎と出会った直後の薫子側の様子が印象に残りました。
作品は基本、凛太郎目線で描かれているので、物語冒頭、薫子が大量のケーキを食べているのを見られ逃げ出した時の気持ちなどには触れられていませんでした。
この巻ではその冒頭部分、薫子がどんな気持ちだったのか。
逃げ出した理由など、そういう事だったのかと色々得心がいきました。
初恋が成就し付き合い始めた薫子と凛太郎。
その事で今後、どんな事が起きるのか。
先が楽しみです。
まとめ
この巻のラスト、凛太郎の友人、宇佐美(うさみ)が同じく友人、朔の誕生日を祝おうとサプライズを提案します。
そのサプライズはグループチャット(朔も含む)で相談したため、速攻で朔にバレますが、凛太郎は話の流れでケーキを作る事になり……。
朔の誕生日ケーキがどんなモノになるのか。
朔の妹はどんな子なのか。
次巻も楽しみです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。