ときめきのいけにえ 2 KCデラックス
著:うぐいす祥子
出版社:講談社
片思いを寄せていた花水木シゲル(はなみずき しげる)の告白を家の事情から断った神業寺マリ(しんぎょうじ まり)。
しかし、マリに交際を断られた花水木は、その後も彼女に笑顔で接し続けていました。
本当は彼の想いに応え恋人同士になりたいマリでしたが、生贄を求める神を信奉する神業寺家の事があり、マリは花水木と一線を引いた付き合いを続ける事になってしまいます。
そんな時、当主である父がマリを正式な後継者に指名して……。
登場人物
神業寺マコト(しんぎょうじ まこと)
マリの兄
生贄を求める神に寄り添いすぎて理性を失い、狂暴な殺人鬼となってしまった。
神業寺家の屋敷の地下牢に繋がれていたが、マリを後継者としようとしている父親に不満を抱いたマリの弟サトルにより解放された。
狭山レナ(さやま れな)
花水木(はなみずき)の幼馴染
ツインテールの女の子。
花水木に強い執着を持ち、彼が心を寄せるマリを憎んでいる。
北小のマッド・ドッグの異名を持つ少女。
小学校時代、給食費を盗み、教師を崖から突き落とし、学校に放火し全焼させた……てか、何で捕まらないの?
塚本
花水木の友人
茶髪でつり目の男子高校生。
彼氏とキャンプ地跡に出かけ行方不明となった、従姉のタエを探している。
花水木に、一緒にキャンプ地に行ってくれないかと打診する。
あらすじ
生贄を神に捧げ破滅から世界を守っている神業寺家。
父親からその儀式を引き継ぐ後継者に選ばれたマリは、凄惨な儀式の途中、まるで自分が宇宙にいる様な感覚に襲われる。
その事で不安になる中、兄を信奉しマリが後継者になる事に不満を抱いた弟のサトルが、地下牢に繋がれていた兄のマコトを牢から逃がしてしまった。
マコトは神に寄り添いすぎ、血を求める怪物となってしまっていた。
父はマコトが問題を起こす事を恐れ捜索するも、その行方は杳として知れなかった。
儀式の翌日は学校を休んだマリは、夕方のニュースに陰惨な殺人事件が無かった事を家族と共に喜んだ。
だが、その日、森深い湖畔近くのかつてはキャンプ場だった場所では、散策に来ていた一組のカップルが鉈を持った男に襲われていた。
感想
今回は危険人物である兄、マコトの脱走、花水木に執着する狭山レナの行動、そして湖畔のキャンプ場跡地に潜む殺人鬼等が描かれました。
前作の『死人の声をきくがよい』もそうでしたが、狭山の様なかなり危険で狂暴な人物が何故放置されているのか不思議です。
まぁ、作者のうぐいすさん曰く、この作品はラブコメなので、コメディー要素の一環だとは思うのですが……。
また、湖畔のキャンプ場の名前が水晶湖だったのが、まんまで面白かったです。
流石にホッケーマスクは被っていませんでしたが……。
まとめ
行方不明の兄マコト、安定の花水木、マリに呼び掛ける神の声、警察に捕まる狭山等々。
一巻は割とシリアスな感じだったのですが、二巻は映画へのオマージュ等あり、とても楽しく読む事が出来ました。
こちらの作品はマガジンポケットにて一部無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。