よふかしのうた 7 少年サンデーコミックス
著:コトヤマ
出版社:小学館
吸血鬼を悪と決めつけ殺害する事を目的としている探偵、鶯アンコ。
彼女から身を守る為、ナズナとコウは吸血鬼の弱点である人間だった時の過去に関わるモノを探す為、吸血鬼カブラの勤務する病院へ潜入しました。
その病院で入るなとカブラに言われた無人の病室で、ナズナは自分とカブラの写った写真を見つけます。
登場人物
七草ハル(ななくさ はる)
カブラの親吸血鬼
ナズナに瓜二つの女性。
人間だった頃、病弱だったカブラが入院していた病院の看護婦。
LoveGreen(ラブグリーン、愛称はエルジー)
吸血鬼ミドリの眷属
バンダナ眼鏡の小太りな男性。
ポタク(オタク)と言われて一般的に思い浮かべるイメージを体現している。
一本、筋の通ったオタク。
なんかカッコイイ。
あらすじ
病院を探索中、用を足す為、トイレに入ったコウは事を終え手を洗っている際、カブラに連れ去られる。
その後、病室でカブラと二人きりになったコウは、彼女がナズナに向ける優しさに満ちた視線からカブラがナズナの親なのではと、感じていた事をシリアスな感じでカッコよくカブラに尋ねた。
だがコウの推測をカブラは全然違うと呆れながら否定した。
自分の予想に確信めいた物を持っていたコウは恥ずかしさで顔を覆う。
どうしてそんな結論になったのかとため息を吐いたカブラに、ありえねぇなと言いながらドアをすり抜けナズナが現れる。
ナズナはコウを勝手に連れて行くなとカブラに苦情を言いつつ、おかげでわかったよと続け、入るなと言われた病室で見つけた写真を彼女に投げ渡した。
写真には看護婦姿のナズナと入院中らしいカブラが写っている。
ナズナはその写真から推測した事、カブラが自分の眷属であるという説をこれまた自信満々にカッコよく言い放った。
しかし、カブラはナズナの話も速攻で違うと否定した。
自信があった自説を否定されたナズナはコウ同様、顔を真っ赤に染めるのだった。
感想
今回はカブラの過去とナズナのルーツ、ミドリの眷属、そしてナズナの自分探しの為に潜入する事となった定時制高校のエピソードの始まりが描かれました。
今回も意外な吸血鬼の設定や秘密が明かされましたが、印象に残ったのはポタクのエルジー君でした。
彼は見た目だけでなく、喋り方も人の名前に氏をつけ喋る生粋のオタクですが、ミドリが吸血鬼の事を冗談めかして話した際、すぐさま今すぐ眷属にして下さいと答えました。
彼はコウ同様、学校に馴染めず不登校でした。
そんな話を否定する事無く聞いてくれたミドリに、彼は心から感謝し吸血鬼でも人間でも共に生きれるなら何にでもなれると話します。
作中、コウもその潔さに思わずかっこいいと思ってしまった様でした。
また、ミドリも他人の好みや主張を否定しないエルジーが自慢みたいでした。
何というか、恥じる事無く自分の想いに真っすぐにオタクをやっているエルジー君は上手く言えないですが、とてもかっこよかったです。
まとめ
今回は番外編として「だがしかし」の面々による夜更かしの模様も収録されていました。
作中、ココノツが語った夜と朝の狭間の青、私もとても好きです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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