メイドさんは食べるだけ 4 イブニングKC
著:前屋進
出版社:講談社
イギリスから日本にやってきたメイドの橘スズメ(たちばな すずめ)。彼女の日本での日々は夏の盛りを終え、季節は秋へと向かっていました。
登場人物
信月杏(しんげつ あんず)
スズメのアパートの202号室の住人
ショートカットでそばかすの女子大生。
台風の夜、停電に怯えたスズメを部屋に招き入れる。
キャンプが趣味のようだ。
あらすじ
夏が終わり季節は秋。
おばあ様とワンコの散歩に出かけたスズメは、少し見ない間に緑だった田んぼの稲が黄金色に色付いている事に気付く。
イギリスでは見ない光景にスズメが足を止めると、おばあ様がそれはお米だと説明してくれた。
いつも食べているお米と稲穂がイコールにならないスズメに、おばあ様は新米を浸けてあるから帰ったら炊こうと提案。
帰宅後、水に浸かったお米を眺め、あの黄色いのがこれにとスズメは呟く。
そんなスズメにおばあ様は、
たくさん工程はあるけどね。
雑に作られたものはないんだよ。
と話した。
そんなおばあ様の言葉にスズメは微笑み、二人は土鍋で新米を炊いた。
スズメはご飯を炊く時の歌は知ってるかい?
おばあ様の問い掛けにスズメは確か呪文みたいな……
エロイムエッサイム……
悪魔召喚の呪文を唱えたスズメにおばあ様は苦笑しつつ、はじめちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣いてもふた取るなと正しい歌を教えた。
まぁ、これは土鍋じゃなくて釜の炊き方だから、今回は関係ないんだけとねと続けながら、土鍋の蓋を開ける。
そこには真っ白に炊き上がったごはんが、キラキラと輝いていた。
その後、二人はふっくらしたごはんと、土鍋の底に出来た香ばしいおこげに舌鼓を打ったのだった。
感想
今回は秋の始まりからスタートし、土鍋ご飯、嵐の夜の停電、夏さよならカレー、いしやきいも、ぶどう、ぎんなん、ハロウィン、前髪のカットに失敗したスズメ、缶のコーンスープ、ハイキングとお弁当等が収録されました。
今回はその中でも停電のエピソードが印象に残りました。
エピソードでは停電で真っ暗になり、それに怯えたスズメを同じアパートに住む杏が迎え入れ、キャンプ用の電気ランプの明かりの中お喋りして、カップヌードルを食べていました。
不安な夜、誰かと一緒に食べる温かいカップヌードル。
なんだか読んでいてホッコリするエピソードでした。
まとめ
秋は黄金色に色付く田んぼや紅葉する景色の事もあってか、少し寂しい様なノスタルジックな気持ちになります。
この巻で秋は終わり、次は冬が描かれるのでしょうか。
冬、美味しい物の溢れる季節にスズメが何をたべるのか。
次も読むのが楽しみです。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
作者の前屋進さんのTwitterはこちら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。