パリピ孔明 5 ヤンマガKC
原作:四葉タト
漫画:小川亮
出版社:講談社
日本でも有数の大型フェス「サマーソニア」。
そのフェスに参加する為、オーガナイザーの近藤から企画で10万イイネを取る事を条件として提示された英子と孔明。
その条件を見事クリアーした二人に、近藤はオリジナルの楽曲を四曲作る事を次の課題として出しました。
孔明はその曲の作製を人気ジャズユニット若月兄妹に依頼したのですが……。
登場人物
若月みちる(わかつき みちる)
ジャズユニット「若月兄妹」の次女、サックス担当
ユルフワパーマの背の高い女性。
自由奔放で独創性の高さは三兄妹の中でも群を抜いている。
しかし、他人に合わせる事が出来ない為、セッションには大いに難がある。
若月巧(わかつき たくみ)
ジャズユニット「若月兄妹」の長男、ドラム、パーカッション担当
黒髪で鋭い目をした青年。
生音だけでなく電子音も取り込んでいる。
若月燈火(わかつき とうか)
ジャズユニット「若月兄妹」の長女、ピアノ担当
編みこんだ髪をアップにした気の強そうな女性。
相手に合わせ様々に変化出来る万能型のピアニスト。
若月幸三(わかつき こうぞう)
若月兄妹の父親
リーゼント髯の恰幅の良いおじさん。
有名作曲家で有り、資産家。
仲が悪い三人の子供に財産の事である勝負を提示する。
色々あって子供達に素直になれない。
英子の母
ショートカットのクールビューティ。
職業は塾講師であり、対話についても理路整然と相手の言葉を論破する。
父親と同じ歌手を夢見る英子を勉学の道に戻そうとしている。
あらすじ
みちるに招かれ彼女の自宅へと向かった英子と孔明。
そこには若月兄妹の巧と燈火も在宅していた。
勝手に作曲を引き受けたみちるに巧達は苛立ちを見せ、英子の曲を作るという話は一旦断られてしまう。
諦めて帰ろうとした英子達だったが、そこに彼らの父、幸三から電話が掛かって来る。
幸三は喧嘩をし、自分の用意したステージまで中止させた事に呆れながら怒りを見せた。
彼は同じ小屋、同じシンガーで勝負し勝った者に財産を譲るという条件を三兄妹に一方的に突き付ける。
話を断れば現在暮らしている家やその他の財産、人脈も全て失う事になる。
幸三は今日中に答えを出せと言う、しかしそんな都合よく小屋もシンガーも見つかる筈が無い。
勝手な父親に憤りながら巧は知り合いに連絡を取ろうとし、燈火はそんな巧に自分が有利な者を選ぶつもりだろうと声を荒げる。
みちるがそんな二人を見て、仲良くしようよと涙を浮かべた時、小屋とシンガーなら用意できると家を辞したと思われた公明が言い放った。
感想
今回は前巻から引き続き、兄妹仲の悪い若月兄妹のエピソードの他、英子の母の登場が描かれました。
兄妹のエピソードについては、巧も燈火もみちるの才能は認めているようでしたが、自由奔放で他者に合わせる事をしないみちるに憤りを感じているようでした。
音楽シーンでは強烈な個性を放つリーダーが、バンド自体をけん引する事も多いと思います。
ですが若月兄妹はそれぞれがそんなリーダー的な個性を持っていて、今までは譲る事が出来なかったのではと読んでいて思いました。
何となくですが、野球でエース級の選手をただ集めても上手く行かないという話を思い出しました。
また、英子の母について。
彼女は理路整然と正論を語る事で、曖昧な夢という言葉を語る英子をずっと封殺してきたのでは無いでしょうか。
言葉では彼女には勝てず、英子は逃げ出すしか無かったのでしょう。
言葉、ボキャブラリー、知識によってマウントを取る事はその人は楽しいかもしれませんが、やられた人には何とも言えないわだかまりを残す様に思います。
マウントを取られた人にも、上手く言葉には出来ない思いがある筈で、行き場を失ったそれはいつまでも燻るのでは無いでしょうか。
英子の母は別にマウント取るとかでは無く、英子の為を思ってやったのだとは思いますが、読んでいてそんな事を思ってしまいました。
まとめ
終盤、英子は過去と向き合い決着をつける為、孔明と共に故郷へと向かいました。
彼女の故郷で何が起きるのか、孔明の策は、次回も楽しみです。
この作品はコミックDAYSにて一部無料でお読みいただけます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。