アルテ 4 ゼノンコミックス
著:大久保圭
出版社:徳間書店
貴族の娘アルテが画家であるレオの弟子として画家を目指す物語。
同業組合の試験としてフレスコ画の制作に携わったアルテはその働きぶりで、他の親方や弟子、役員長にも認められます。
そのフレスコ画の仕事の合間、壁に描いた練習画が一人の男の目に止まりました。
冒頭あらすじ
アルテはヴェロニカに、ウベルティーノに対するアドバイスの礼として一枚の肖像画を送った。
ヴェロニカのもとを訪れた、ヴェネツィアの貴族ユーリは肖像画を描いたのが女徒弟だと聞き、練習画の件で気になっていたこもあり彼女に詳細を尋ねる。
その後レオの工房を訪れたユーリは、アルテにヴェネツィアでの仕事を依頼する。
彼女を選んだ理由の中に、女で貴族出身である事が大きく関係している事にアルテは悩む。
そのことについてレオとも話し悩んだ結果、アルテはユーリの申し出を断り、レオの下で更に修行する事に決めた。
ユーリに仕事を断る事を告げ、足取り軽く工房に向かうアルテにお腹の大きな女性が声を掛けた。
彼女はレオの工房を探していると言った。
感想
訪ねて来たのはレオの師匠の娘、ルザンナでした。
彼女を救うためアルテはユーリの申し出を受け、ヴェネツィアに旅立ちます。
今回も当時の女性の立場の弱さが垣間見えます。
ルザンナは夫と死別し、身重の体を抱え持参金の返却を夫の実家に求めます。
しかし無い袖は振れないと突っぱねられます。
未亡人になった場合、持参金は返却されるのが通常ですが、親族に力がない場合、泣き寝入りになることもあったようです。
今回はアルテがユーリという、強力な後ろ盾を得ることで持参金の返却は叶いましたが、それが無ければルザンナは苦しい生活を余儀なくされたでしょう。
持参金の歴史は古く、古代ギリシアや古代ローマからあり作中では相続権の無い女性が、夫に先立たれた際に生きていくための保険のような意味合いがあったようです。
まとめ
アルテはフィレンツェを離れ、水の都ヴェネツィアに向かいました。
次巻から新しい街でのアルテの生活が始まります。
お読みいただき、ありがとうございました。