へんなものみっけ! 6 ビッグコミックス
著:早良朋
出版社:小学館
今回はかねてから透が考えていた彼が主体となった企画展、その始まりが描かれました。
作品を通してのテーマの一つであった企画展、透はかなり気合を入れて臨むのですが……。
余り知られていない博物館の裏側を描いた作品です。
登場人物紹介
ハビエル
プロのミネラルハンター
黒髪ロングのイケメン。
かなでの森博物館、鉱物担当の研究員である千々岩(ちぢいわ)とは学生時代からの友人。
彼の結婚でその長年の友情にヒビが入る。
透(とおる)の父母
主張が強く心配性の母親と存在感が薄く穏やかな父親のふたり。
雅(みやび)
かなでの森博物館研究員
黒髪オカッパの女性。
ミュージアムショップも担当している。
芽組風香(めぐみ ふうか)
奏山大学人類学研究室の教授、猿田彦(さるたひこ)の助手
ショートカットの女性。
以前はOLをしていたが猿田彦の公演を聞き発奮、出土した古代人の骨の修復に携わる事になった。
各話あらすじ
第45話 おうちで博物館
博物館の常連であるナミの友人聡太(そうた)から家で博物館を楽しみたいと相談された清棲(きよす)と透の二人。
聞けば遠く離れた前の学校の友人にかなでの森博物館の話をした所、是非見てみたいと言われたそうなのだ。
遠いので来るのは難しいと言う聡太に、清棲はヴァーチャルツアーを提案する。
第46話 ハート・オブ・ストーン
学生時代から共にフィールドワークを行っていた岩千々とハビエル。
しかしハビエルの結婚によって今までの様に、気軽に岩千々に同行する事は出来なくなった。
その事を岩千々に伝え、結婚式への参加を打診したハビエルだったが、岩千々は無理かもねと彼を冷たくあしらった。
第47話 あの光にむかって
古代エジプトで神として崇められていたフンコロガシ。
そのフンコロガシが何故神様になったのか。
そんなテーマで企画された週末のナイトミュージアム。
初めて総合演出を任された透はかなり張り切って準備を進めていた。
そのナイトミュージアムには透の両親も密かに参加していて……。
第48話 魅せるお店に!
かなでの森博物館にあるミュージアムショップ。
その品揃えはかなりショボく、透としても少し不満を感じていた。
そんな透にショップも担当している研究員、雅が声を掛ける。
ショップのテコ入れを口にした透を、雅はある店に誘う。
虫屋だというその店はオーナーの好きな物で溢れかえる、彼の趣味の詰まった空間だった。
第49話 キノコとネコと
東京の大学を目指し勉強に励んでいる清棲の従妹かがり。
彼女はその勉強の息抜きにと、趣味のネコの追跡中に稲荷神社の娘、銀子(ぎんこ)と出会う。
彼女と話し、林に出来るキノコのサークルを見せられたかがりはその謎を解く為、博物館を訪れるのだが……。
第50~51話 骨折り損のくたびれ損!?(前後編)
標本の引き取りで奏山大学を訪れた透。
対応してくれたのは教授の猿田彦の助手である芽組風香という女性だった。
その芽組は出土した古代人の骨の組み立てに従事していた。
標本を受け取った透だが、研究室にあった人骨を見てちょっと怖いと発言してしまう。
その発言を聞いた芽組は透に骨の組み立て作業の解説を始めた。
第52~53話 企画展を企画せん!?(前後編)
いよいよ透が主体となって催す春の企画展が動き始めた。
気合を入れていた透だったが、会議では情熱はあったのだが明確なテーマが見えず研究員たちには駄目出しをされてしまう。
更に、彼は街の人々に広く展示物の寄贈、借用を求めていたが、ただ外部から持って来た物を展示する事に意味があるのか? と岩千々に突っ込まれてしまう。
結局、その日の会議は解散となり、透は企画の練り直しを言い渡されてしまった。
感想
今回はいよいよ始まった透が主体となった春の企画展、その準備が開始が描かれました。
そのエピソードの中で印象的だったのは、アマチュアの研究者が集めた苔のお話でした。
その苔は35年前、博物館に寄贈された物でした。
当時は奏山にも自生していた苔でしたが、現在ではもう絶滅してしまった様でした。
地球上ではこれまでにも沢山の動植物が絶滅してきました。
現代ではもう目にする事が叶わない物、その生態や活動は想像と逆算的な考察、研究でしか知る事は出来ません。
そんな時、標本とはいえサンプルがあれば、何故滅んだのか知る為の大きな助けとなる筈です。
博物学の研究は過去を学び未来に生かす為ある様に思います。
そんな研究の為の貴重な標本が一つでも多く後世に残っていけばいいな。今回、作品を読んでいてそんな事を思いました。
まとめ
今回のラスト、清棲に研究者の道を選ばせるきっかけとなった師匠が、現在南極にいる事が分かりました。
次巻、師匠と清棲、そして南極観測隊を夢見る透がどう絡むのか、読むのが楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この作品はpixivコミックで、第一話が無料でお読みいただけます。
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