極東事変 4 ハルタコミックス
作:大上明久利
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン
クーデターを起こした三浦(みうら)中将を切り捨てた奇兵隊の隊長、玄森(くろもり)。
彼は武力による政権奪取を目論んだ三浦とは違い、GHQによる統治を忌避する民衆の気持ちを焚き付け、不満を募らせた民を暴動へと向かわせる。
そんな玄森の暗躍により、民衆はGHQ本部へと押し寄せた。
そんな緊迫した中、玄森の部下である柳巴菜(やなぎ はな)は治安衛生局の特別参謀ジュリアを挑発。
彼女に夫を殺害された過去を持つジュリアは、思わず引き金を引いてしまい……。
登場人物
ソコロフ
ソ連の軍人
金髪の偉丈夫。
祖国の命を受け玄森に協力している。
あらすじ
GHQに反発する市民の前で巴菜を銃撃したジュリア。
巴菜が不死身の変異体(ヴァリアント)だとは知らない市民の目には、それは邪魔者を武力で排除する行いに見えた。
その事で市民のGHQに対する反発は激化。
その三か月後、ジュリアは責任を取り治安衛生局の特別参謀の職を辞する事になった。
一方、勘九郎(かんくろう)と砕花(さいか)は、自宅であるトラック小屋で時間を持て余していた。
「このまま音沙汰なかったら?」
「また職探しだな」
「僕は?」
「別にここにいりゃあ……」
そう言いかけて勘九郎は気づく。
変異体(ヴァリアント)である砕花は、敵の変異体を殺すために生かされている。
「もし役目がなくなったら?」
砕花の今後を考えた勘九郎は、服を着替え砕花と二人、参謀ジュリアを探し家を飛び出したのだった。
感想
今回は表向き、治安衛生局の特別参謀を首になったジュリアと今後の仕事についてから始まり、玄森を追う事になった勘九郎たちと平和を望む人々、砕花の過去、奇兵隊に巻き込まれる武器商人、利一(りいち)と負傷した勘九郎、巴菜の過去と砕花、勘九郎復活と玄森の目的などが描かれました。
その中でも今回は玄森を追うジュリア達を歓迎する、飲み屋に集まった人々の姿が印象に残りました。
作中、玄森の演説でGHQに反発した人々もいる中、戦争が終わりようやく戻った平和を失いたくない人もまた沢山いるようでした。
普通に働き、仲間や家族と笑い暮らす日々。
戦争はそんな平穏な日々を一瞬で奪い去る。
どんな立派なお題目があったとしても、やはり戦争は嫌だなとエピソードを読んでいて思いました。
まとめ
GHQに統括された日本を戦場に変えようとしている玄森。
彼に勘九郎たちがどう立ち向かうのか、次巻も楽しみです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この作品はComicWalkerにて第一話が無料でお読みいただけます。